MM総研は18日、2016年度の国内携帯電話端末の出荷台数調査の結果を公表した。スマートフォン出荷台数は前年度比3.3%増の3013万台と過去最高となったが、内訳を見ると、SIMフリースマホの存在感が大きくなっていることがわかる。
スマホ出荷台数の3000万台超えは初。このうち出荷台数シェアナンバーワンがアップル。アップルの出荷台数は1587万台で52.7%を占めた。2位がソニーモバイルコミュニケーションズで457万台(シェア12.5%)、3位がシャープで366万台(同10%)、4位が京セラで355万台(同9.7%)、5位が富士通で290万台(同8%)だった。
iPhoneへの人気集中は相変わらずで、メーカー別の出荷台数のランキングにも大きな変化はない。しかし、SIMフリーに目を向けると変化が見える。
SIMフリースマホの出荷台数は前年度比63.5%増の281万台。スマホ出荷台数全体に占める割合は9.3%(前年度比3.4ポイント増)となった。通信料金の安さを武器にMVNOが存在感を増していることがわかる。
SIMフリースマホのメーカー別出荷ランキングも、上記のものとは大きく異なる。これはアップルのSIMフリーiPhoneなどを含んだ数値となるが、1位はZenFoneシリーズを展開する台湾エイスースでシェアは29.4%、2位は中国ファーウェイで16.1%。両社合計で45.5%とほぼSIMフリー市場の半分を占めている。
エイスースの場合、国内SIMフリー市場の黎明期から日本市場に最適化した製品を展開。ファーウェイもカメラ機能に力を入れたP9やコスパスマホと評されるP9 liteなどがウケ、存在感を示している形だ。
個々の動きを見るとそれなりの理由は出てくるが、もうひとつ、スマホに対する認識の変化についても触れておきたい。それは、高価なハイエンド端末でなく、2-3万円程度で買えるミドルレンジのスマホでも十分活用できるようになったからだ。こうした流れは今後も継続していきそうだ。
今後のSIMフリースマホの出荷台数についても、拡大すると見られる。MM総研によると、2017年度は360万台(スマホ出荷シェアの11.7%)、2018年度は440万台(同14.1%)、2019年度は510万台(同16.1%)、2020年度は570万台(同16.9%)と予測している。