アップルが米国時間5月2日に発表した2017年第2四半期(1-3月)決算の中で、振るわなかったのはiPadのカテゴリだった。前年同期比12%減の890万台となり、13四半期連続での前年同期比割れという結果を続けている。

しかしそれでも、アップルはタブレット市場でのトップを堅持している。IDCが5月4日に発表した2017年第1四半期(1~3月)のタブレット市場動向によると、アップルのシェアは24.6%だった。2位のサムスンが16.5%、4位のアマゾンが6.0%、5位のレノボが5.7%だった。いずれのメーカーも、販売台数を減少させた。

トップ5の中では唯一、3位のファーウェイが前年同期比31.7%と成長を遂げたが、タブレット市場全体は前年比8.5%減と、市場が縮小している。

出典:IDC 2017年5月4日プレスリリースを基に編集部作成

「ラップトップ」と「デタッチャブル」への緩やかな移行

タブレットは、アップルのiPadが2010年に形成した市場だ。前述の通り減少を続けながらも、その市場のトップを走っているが、タブレット市場そのものが縮小傾向を続けている。その背景には、デバイスの多様化がある。

iPad(画像:アップルプレスサイトより)

タブレットは、まだまだスマートフォンのディスプレイが小さかった時代に、スマホで慣れた使い勝手で、コミュニケーションやゲームを楽しみ、より大画面でビデオ視聴や、生産性の向上、教育などの現場でも快適に使おう、という用途が与えられていた。

そうしたタブレットの「大画面」というメリットを失わせたのは、スマートフォンの進化だ。アップル自身、2015年に5.5インチのいわゆる「ファブレット」(スマートフォン+タブレット)サイズに属するiPhone 6 Plusを発売して成功を収め、最新のiPhoneではさらに画面サイズの拡大が見込まれる。

また、タブレットそのものの市場が、異なるスタイルのデバイスに脅かされている。世界最大のPC向けOSをコントロールするマイクロソフトが、タブレットとパソコンの中間的な存在としてSurfaceシリーズを提示し、PCのソフトウェアがタブレットで動くという状況を作り出した。