米Microsoftが2016年5月10日(現地時間)から開催中の開発者向けカンファレンス「Build 2017」。初日の基調講演で発表された新テクノロジーや製品に関する最新情報から、キーポイントを取り上げて紹介しよう。

今年はクラウド&AIが初日のテーマ

例年と異なり、初日はクラウド&AI(人工知能)に関する話題が中心だった。最初に登壇したMicrosoft CEO Satya Nadella氏は、1993年開催の開発者向けカンファレンス(当時はProfessional Developers Conferenceだった)を振り返り、時代の潮流や自社ミッション、今後注目すべきテーマなどをなぞった。

Microsoft CEOのSatya Nadella氏(画像はすべてライブキャストから抜粋)

PDC '93で行われたOfficeアプリケーションとサーバー連携のスライド

当時デモンストレーションを担当したNadella氏の写真。娘さんに「これは誰?」と聞かれたという

AIを用いたデモンストレーション。チャットボットに「ジャックハンマーはどこ?」と尋ねると、画像認識中のAIが回答する

AzureやVisual Studio、DB周りを強化

クラウド関連は大きな話題だけピックアップする。Webブラウザー経由でアクセスするAzure Portalには、直接Bashを使ってMicrosoft Azureを操作する「Azure Cloud Shell」が加わった。この機能は、専用アプリ「Azure Mobile Portal」をインストールすることで、スマートフォンからも実行できる。

Microsoft EVP, Cloud & EntepriseのScotto Guthrie氏

Azure PortalでBashをそのまま利用できる「Azure Cloud Shell」

スマートフォンからもコマンドライン操作は可能。デモンストレーションを行ったのはMicrosoft Principal Program ManagerのScott Hanselman氏

また、これまでプレビュー版だったVisual Studio for MacがGA(一般提供版)となり、Azure Database Migration Serviceや、Microsoft Azure上でPostgreSQLやMySQLといったRDBMS(関係データベース管理システム)が利用可能になった。さらに、非構造化データを格納できる「Azure Cosmos DB」も発表。これについては公式ドキュメントを参照してほしい。

新たに発表された「Azure Cosmos DB」。DBエンジンはDocumentDB SQLやMongoDB、Azure Tables(プレビュー)、Gremlin(プレビュー)をサポートする