ドイツ・ハノーバーで3月に開催されたIT展示会「CeBIT 2017」は、日本政府の全面協力により、史上最大規模のジャパンパビリオンが登場したことで大きな盛り上がりを見せた。
来年からは、1986年から続くCeBIT史上初めて、展示会の会期が3月から6月に変更される。2017年のイベントの模様を振り返りながら、CeBIT 2018の姿を予想してみたい。
日独両首相がCeBIT会場に並ぶ
会期前日に開催されたオープニングセレモニー「Welcome Night」には、安倍晋三首相とアンゲラ・メルケル首相が登壇。日独の両首相が、IoT分野を中心とした両国の協力を約束した。
だが、印象的だったのはドイツ側のゲストとして登壇した教育担当大臣や業界団体のトップの講演だ。具体名こそ挙げなかったものの、米国のトランプ政権を暗に批判。そのたびに会場は拍手喝采に包まれ、ドイツの根強い「反トランプ」の空気が感じられた。
CeBIT会場のホール4とホール12に設置されたジャパンパビリオンには、日本から約120社の企業が出展。どちらかといえば大企業が集中し、立地も良いホール4ばかりが注目を浴びるかと思われた。だがホール12もハノーバー中央駅からのアクセスが良く、CeBITを訪れた多くの来場者が最初に訪れる展示ブースとして賑わいを見せた。
CeBIT 2017の来場者数は約20万人と例年並みで、展示面積もやや縮小が目立った。ただし、ホール13は新たに自動運転バスのデモエリアにリニューアルするという、新たな試みも見られた。広大なCeBIT会場内には通常のバスも走っているが、将来的にはこれらも自動化が進みそうな勢いだ。