軽量ノートPCが注目を集めている。
世界最薄最軽量をうたったレノボ・ジャパンのYOGABOOKが、2016年10月の発売以来、長い間品薄が続くほどの人気を誇ったほか、アップルもMacBookで薄型、軽量を追求するなど、軽量ノートPCの動きが賑やかになってきた。2017年に入ってからも、13.3型の世界最軽量ノートPCの座を巡って、NECパーソナルコンピュータと富士通クライアントコンピューティングが熾烈な争いを繰り広げるといった動きが見られている。
こうした動きを象徴するように、量販店においても、軽量ノートPCの販売が上向きつつある。
全国量販店などのPOSデータを集計するBCNによると、ディスプレイサイズを問わず、本体重量が1.1kg未満のノートPCを「軽量ノートPC」と位置づけた場合、2016年3月には10.0%だった軽量ノートPCの構成比は、2017年3月には11.7%と、2割ほど構成比が上昇している。こうした動きを捉えて、量販店でも軽量ノートPCの展示に力を注いでいるところだ。
ノートPC 1.1kg以上/未満の構成比 | ||
重量 | 2016年3月 | 2017年3月 |
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1.1kg未満 | 10.0% | 11.7% |
1.1kg以上 | 90.0% | 88.3% |
「世界最軽量」をめぐる、数gの熾烈な争い
とくに、昨今の話題として注目を集めているのが、NECパーソナルコンピュータの第4世代軽量モバイルノートPC「LAVIE Hybrid ZERO」と、富士通クライアントコンピューティングの「LIFEBOOK UH75/B1」による13.3型ノートPCの世界最軽量を巡る争いだ。
富士通クライアントコンピューティングは、2017年1月17日に、2017年春モデルの目玉として、777gの軽量13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH75/B1」を発表。NECパーソナルコンピュータの「LAVIE Hybrid ZERO」の従来モデルである779gを下回ってみせたが、同日、NECパーソナルコンピュータ側は従来モデルをさらに軽量化したモデルを投入することを明記したリリースを出し、この動きに対抗。2月7日には、LAVIE Hybrid ZEROの新製品を正式に発表して、重量が769gであることを公表。再び、世界最軽量の地位を奪還した。
だが、今度は、富士通クライアントコンピュータが、2月22日に、島根県出雲市の島根富士通で開催した会見において、「777gは個体差などを含めて、確実に達成できる数値であることと、語呂の良さから発表したもの」とし、「島根富士通において生産した約300台の平均値では761gになる」とコメント。個体差があるために、すべてが761g、あるいはその数値を切るわけではないが、平均値として新たな数値を発表し、再び、世界最軽量の座を奪ってみせた。
もちろん、数gの差は、実際には持ってみて判断できるほどの差はないが、数gの差で鎬(しのぎ)を削るあたりに、両社の軽量化に対するこだわりがぶつりかりあったともいえる。
こうした動きもあり、今年(2017年)の春商戦は、軽量ノートPCに注目が集まっている。話題を集めたNECパーソナルコンピュータの第4世代軽量ノートPC「LAVIE Hybrid ZERO」と、富士通クライアントコンピューティングの「LIFEBOOK UH75/B1」も、ベスト10圏内に入る健闘ぶりをみせていることからもそれは明らかだろう。
それではBCNの2017年3月の集計データから、重量1.1kg未満のPCシリーズの売れ筋トップ10を見てみよう。