日立ハイテクノロジーズは3月8日、半導体製造過程にて生じた欠陥の発見・分類を行う高速レビューSEMの新製品「CR6300」を発表した。
同製品は、ステージの制御方式を改良し従来比3倍の高速化を図ったことに加え、ステージ移動と連動した電子線ビーム制御システムを開発し、単位時間当たりの欠陥撮像能力を従来比約3倍に高めることに成功。また、6種のSEM画像を撮像できる新しい電子光学系を開発したことに加え、試料から発生する2次電子(SE)、後方散乱電子(BSE)を発生角度別・エネルギー別に選択する検出技術を採用することで、高いアスペクト比の深い溝や穴から発生する信号電子の捕捉率を高め、底部のパターン形状の視認性を向上させることで、5nm以下の欠陥や3D NANDのような高アスペクト比における欠陥に対する視認性などの向上を実現したとする。
さらに、欠陥レビュー機能に加え、露光装置やエッチング装置などのプロセス装置の制御パラメータの最適化を目的として、設計図と実際の加工パターンの変形量を算出する形状評価機能を新たに搭載。これにより、露光やエッチングなど各プロセスにて最適設定を行うために活用できるデータの提供が可能となったほか、各プロセス装置の安定稼働監視に重要な「パターンなしウェハのレビュー機能」に関しても照明のレーザー光の強度を従来比3倍に高め暗視野光学顕微鏡での欠陥の捕捉率を高めるなどの工夫が施されているという。
なお、同装置は即日販売を開始したという。