リコーは、2017年4月1日付で、代表取締役社長執行役員に、山下良則取締役副社長執行役員が就任するトップ人事を発表した。1月26日に行われた取締役会で決議した。現社長の三浦善司氏は、3月31日付で取締役を退任し、特別顧問に就任する。また、現代表取締役会長の近藤史朗氏は、代表権のない取締役会長となり、取締役会議長には稲葉延雄氏が就任する。

モノづくり部門出身の山下良則次期社長

社長に就任する山下良則氏は、1957年8月、兵庫県加西市出身の59歳。1980年3月、広島大学工学部卒後、同年4月にリコーに入社。2008年4月にRicoh Electronics, Inc.社長に就任。2010年4月にグループ執行役員、2011年4月に、リコー常務執行役員および総合経営企画室長を経て、2012年6月に取締役に就任し、専務執行役員にも。2013年4月に内部統制担当、2014年4月にビジネスソリューションズ事業本部長、2015年4月に基盤事業担当、2016年6月に副社長執行役員に就任していた。

会見に臨むリコーの山下良則次期社長

山下次期社長は、「常識や前例にとらわれず、リコーを再起動していきたい」と発言。「プリンティング事業の再構築」、「生産性改革、働き方改革」、「スピード経営と未来人財の育成」の3点に力を注ぐ方針を示した。

具体的な業績目標については、社長就任後の2017年4月以降に、新たな中期経営計画とともに説明するとしたが、「優先するのは増益。これは確実に進めたい。それにより次への投資が可能になる」とした。

三愛精神とお客様ファースト

山下次期社長は会見において、創業者の市村清氏が打ち出した「三愛精神」について言及。この姿勢がリコーの事業を拡大してきたグループの礎と位置づける一方、「経営の原理原則は、お客様ファーストである。常にお客様を中心において、顧客に感動してもらう製品を追求するところにイノベーションが生まれ、新たな市場が創造できると考えている」とし、自らがモノづくり部門を担当してきた経験をもとにした考え方を示した。