この連載では、ガジェット愛にあふれたライター・ジャイアン鈴木氏が足の向くまま気の向くままに、琴線に触れたガジェットをレビューしていきます。

初物に目がないジャイアン鈴木です。拡張現実(AR)を実現するGoogle Tango技術が搭載された「世界初」のコンシューマー向けAndroid端末「PHAB2 Pro」が、12月2日に予約を開始し、12月15日に出荷が開始されました。

レノボ「PHAB2 Pro」直販価格53,784円(税込)

製造台数が少なかったのか、予想を上回る注文が殺到したのか、予約開始日の12月2日に初回出荷分は完売し、現在(2016年12月27日)でも一時販売停止しています。筆者は運良く初回出荷分を確保できたので、Google Tango端末で現在、そして未来にどのようなことが可能なのかレビューしていきます!

GPSが届かない場所でも、空間を正確にトラッキング

Google Tangoは拡張現実(AR)を実現するためのテクノロジーです。主要技術としては、「運動解析(Motion Tracking)」、「奥行認識(Depth Perception)」、「空間記憶(Area Learning)」で構成されており、ハードウェアとしては一般的なスマートフォンに搭載されているRGBカメラのほかに、深度カメラ(赤外線カメラ)とモーショントラッキングカメラ(魚眼カメラ)が追加されています。

これにコンパス、加速度センサー、ジャイロスコープを組み合わせることで、端末の姿勢、端末の位置、そして周囲の空間の形状を認識します。それによって、現実空間にデジタル情報を違和感なく重ね合わせたり、GPS情報を取得できない室内で正確な位置情報を得られるわけです。

左から1600万画素RGBカメラ、深度カメラ(赤外線カメラ)、赤外線エミッター(放射器)、デュアルカラーLEDフラッシュ、モーショントラッキングカメラ(魚眼カメラ)

PHAB2 ProのカメラアプリにはARモードが用意されており、妖精、ドラゴン、ネコ、犬を現実空間に重ね合わせて撮影が可能です。ここではテーブルを平面と認識し、その上に犬が乗っているわけですね