Qualcomm Technologiesは米国時間の1月3日、ネバダ州ラスベガスで同5日より開催されるCES 2017のプレスデイにおいて記者発表会を開催した。昨年11月に製品発表した次期主力SoC「Snapdragon 835」の特徴を紹介するとともに、リファレンス設計のスマートフォンを公開。また、Snapdragon 835を採用したVR/AR対応グラスなどの新製品も披露した。

Snapdragon 835搭載スマートフォンのリファレンスモデルを披露するキース・クレシン製品管理担当上級副社長

Qualcommで製品管理を統括するキース・クレシン上級副社長 (Keith Kressin, SVP, Product Management) は、昨年のCESで発表したSnapdragon 820 / 821が、主要モバイルデバイスメーカーのフラグシップモデルに採用され、Xiaomi (小米) やGoogleからは、これまでにないデバイスが登場したと、その成功をアピール。2017年のCESは、Snapdragon 835が主役になるだろうという見通しを示した。

Snapdragon 820 / 821は、2016年の1年で200以上のデバイスに採用された

同社の最上位SoCとなるSnapdragon 835は、半導体製造プロセスに10nm FinFET技術を採用。半導体製造プロセスを微細化しただけでなく、立体構造を採るFinFET技術を第2世代に進化させ、モバイルデバイスだけでなく、さまざまな用途に省電力かつパワフルなSoCを提供できると説明した。1月5日に開幕するCESのショーフロアでは、Qualcommだけが10nmプロセスを採用した製品を展示できると、最先端プロセスの利用において、Qualcommが業界をリードする状況にあると胸を張った。

10nm FinFETプロセスを採用したSnapdragon 835は、14nm FinFETプロセスのSnapdragon 820 / 821よりも、35%小さなパッケージサイズを実現。Snapdragon 820に比べて、一辺あたり3mm小さくなったことで、よりスリムなスマートフォンを実現したり、より大きなバッテリを搭載できるなどのメリットを生むとした。また、Qualcommはこの5年間、半導体製造プロセスを毎年進化させ、LTEモデムのSoCへの統合を進めており、Snapdragon 835でもその性能を大きく引き上げている。

QualcommはSnapdragon 835で、ほかの半導体メーカーに先駆けて、10nm FinFETプロセスによる製品の量産化にこぎ着けた

Qualcommはここ5年間、毎年最新プロセスへの微細化を繰り返し、LTEモデムの統合や、高性能化、省電力化を加速してきた

10nm FinFETプロセスを採用したSnapdragon 835 (左)と、14nm FinFETプロセスを採用したSnapdragon 820 (右)。パッケージサイズは前者が約12平方mm、後者が約15平方mmとのこと

Snapdragon 835搭載スマートフォンのリファレンスモデル

Snapdragon 835搭載スマートフォンのリファレンスモデルには、光学ズームレンズを採用したカメラ搭載モデルも用意されていた