IHIは12月14日、P-1固定翼哨戒機に搭載されている「F7-10エンジン(F7エンジン)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)への販売に向けた民間転用契約を、防衛装備庁と締結したと発表した。今回の契約締結を受け、IHIは、JAXAへのF7エンジン販売に向けた準備を開始します。JAXAは、航空エンジンの基礎研究の成果を、実際の開発に反映させるために必要な実証設備として、F7エンジンを使用するという。

F7エンジンは、P-1固定翼哨戒機用に防衛装備庁(旧 技術研究本部)が開発し、IHIが設計・製造している純国産ターボファンエンジン。推力約6トン、バイパス比約8の高バイパス比エンジンで、最新の設計技術を導入し高い信頼性と環境性能を兼ね備えている。今回の実証設備に用いるエンジンの選定にあたっては、日本で開発が行われた高バイパス比のエンジンを使用することが最適とされ、このF7エンジンが選定された。

今後、JAXAが実証設備を設置することで、国内の航空エンジンメーカーや研究機関の基礎研究成果を民間エンジン国際共同開発へ提案するに際し、国内であらかじめエンジンによる技術実証を行えるようになり、海外航空エンジンメーカーに向けた我が国の技術提案力の強化につながると期待されている。

F7-10エンジン