インタフェースも改善されており、現在のAndroidで標準となっている「カード」式のUIが採用されている。ほかの情報を探したい場合は、とにかく下へ下へとスクロールしていけばいいので、操作自体は片手でも簡単に行えるくらいシンプルだ。

下へスクロールしていくと、ユーザーの行動から学習したプレイリストなどが表示されてくる。使い込んでいけば、お勧めの精度がどんどん高まっていくはずだ

その他の機能としては、電波が届かない場所でも音楽を再生できる「オフラインプレイリスト」機能や、最大5万曲のライブラリをクラウドにアップロードできる「ロッカー」機能も提供される。特にオフライン機能については、ユーザーが明示的にこの曲、と指定するだけでなく、ユーザーの行動から推測されるお勧めの曲をあらかじめダウンロードしておく機能を強化していくという。

音楽ストリーミングサービスでは各社リコメンドの手法が異なり、その違いがサービスの特性につながっているのが面白い。元祖機械学習派といえるSpotifyやAmazon Music Unlimited(日本では未提供)に対し、Appleはラジオ放送「Beats 1」を始めたり、リコメンデーション機能「For You」のプレイリスト作成を100%人力で行なっていることを強調するなど、人による感性に重点を置いている。

Googleの場合は、その折衷案とでもいうべき人力+機械学習の組み合わせだが、機械学習に利用するデータの範囲が非常に広い。人間の行動をすべて記録監視し、あらゆるデータをそこに紐づけていこうとするGoogleならではの発想といえるだろう。

軽く試してみた範囲だが、リコメンドされる曲のアタリ具合はなかなか精度が高く、操作性の向上もあって以前よりずいぶん快適に使えるようになったと感じさせられた。この調子ならば、各駅停車と通勤快速、新幹線でそれぞれ違う曲がかかったり、教会の前では賛美歌が、寺社の前では雅楽や読経が聴けるようになるかもしれない。むしろそこまで徹底して強化されるように期待したい。