ブイキューブとレノボ・ジャパンは11月16日、ワークスタイル変革分野での共同ソリューション販売に関して協業すると発表した。その第1弾として、レノボは、同社のPC「ThinkCentre M700 Tiny」を組み合わせたテレビ会議システム「V-Cube Box」を2017年1月より法人向けに販売を予定している。
説明会では、ブイキューブの代表取締役社長 兼 CEOを務める間下直晃氏が協業の背景を語った。ソフトウェアベースのWeb会議システムのパイオニアとして地位を確立してきた同社がなぜハードウェアベンダーのレノボと手を組むのだろうか。
間下氏は、「昨今、少子高齢化、労働力現象、ワークライフバランスの確保といった課題が生じており、これらを解決するためにワークスタイルの変革が求められている。ワークスタイルを変革する中で、自分の会社から離れた場所で働く機会が増えることで、コミュニケーションの課題が出てくることが予想される。そこで、われわれの技術と製品を活用することで、ワークスタイルの変革を推進していくことにした」と説明した。
今回、協業の対象となるのは、ハードウェアベースの会議システム「V-CUBE Box」だ。間下氏は、「これまでWeb会議システムを販売する中で、従来のハードウェアベースの会議システムに対する根強いニーズがあることがわかった。そこで、昨年末にハードウェアベースのテレビ会議システムであるV-CUBE Boxの販売を開始した。この製品は、従来のテレビ会議システムよりも操作が簡単で、低コストを特徴とする。ハードウェアがあると、会議システムとしてわかりやすいという側面がある」と、V-CUBE Boxを販売するに至った経緯を述べた。
さらに、「V-CUBE Box」には、機能性、流通、価格における課題があるとして、これらをレノボの「ThinkCentre M700 Tiny」によって解決されるとした。機能性とは「狭い場所でも利用可能にする」「持ち運び可能にする」といったことを、「流通」とは、ハードウェアのモデルが変わるたびに機材検証と製品の確保にコストと手間がかかることを指す。
続いて、レノボ・ジャパン 代表取締役社長 留目真伸氏が協業の背景について説明した。
留目氏は「われわれは、今後『未来型企業』の時代が来ると考えている。未来型企業では、『共創による価値創造』『流動性の高い資本・人材』『プロジェクトの成果優先』が求められ、これらを実現するにはワークスタイル変革が欠かせない。そして、従来型企業では、会社で働き、労働時間が決められているが、未来型企業ではクラウドサービスやコネクテッド・デバイスを活用することで、時間と場所に縛られなくなる。このたび、未来型企業の働き方に必要とされる遠隔会議などを実現するソリューションを提供する」と述べた。
間下氏は「V-CUBE Box」の競合製品に対するアドバンテージとして「低価格」をアピールしていたが、「ThinkCentre M700 Tiny」を採用した「V-CUBE Box」の価格は30万円程度からとなるという。
今後の展開としては、「V-CUBE Box」を「ThinkCentre Tiny All-in-One」の背面に差し込んだテレビ会議システムの提供、まだ日本では提供されていないモバイルプロジェクターと「V-CUBE Box」を組み合わせての提供などが計画されている。