―― 従来はローカルPCのバックアップを中心に展開していましたが、そのタイミングで現在のビジョンを定めたということですね。

マグダヌロフ氏「はい。従来はWindows環境のフルバックアップ機能が中心でしたが、もっとクラウドプラットフォームを提供していく会社になるべきだと。それは、デジタルライフすべてを網羅して、保護できるようにしていこうということでもあります。

お客さまのニーズとして注目しているのは、スマートホームのバックアップです。家の中で様々なIoTデバイスが使われ始めており、エアコン、オーブン、冷蔵庫などの家電がスマート化しつつあります。それぞれの設定は数秒で済むかもしれませんが、多くのIoTデバイスがあると時間がかかります。それらの設定情報をバックアップできたら便利ですよね。

現時点では、そうしたIoTデバイスはそれぞれ、独自の通信技術や設定フォーマットを使っていますが、将来的には標準化されると予想しています。すると我々にも好機が訪れます。データの保護とバックアップ、復元、というソリューションを提供できるのです。これはそれほど遠い未来の話ではないですよ」

True Image 2017の主要なバックアップ機能

―― クラウドへのバックアップを実装したとき、市場やユーザーの反応はどうでしたか? 自分は「イメージバックアップ」をクラウドに保存するとき、時間がかかることがネックでした。

マグダヌロフ氏「まずはテストしてみようか、という反応でしたね。データをクラウドに送ること自体に、抵抗を感じていたユーザーも多かったです。誰かがクラウドのデータにアクセスできてしまうかも知れない、ということも懸念されていました。ただ、この3年間で、お客さまにクラウドを信頼していただけるようになりました。データセンターに格納されるデータも、何十テラバイトという単位になってきています。

お客さまがクラウドにデータをアップロードするようになったのには、2つの理由が考えられます。ひとつは外付けドライブ、NASなどを利用していたがマシンが壊れてしまった。もうひとつは利便性で、複数のデバイスからアクセスしやすい点は、皆さん実感されているのではないでしょうか。

PCのデータをクラウドにバックアップすることに関しては、ランサムウェアの存在が大きくなっています。PCの内蔵ストレージ(HDDやSSD)だけでなく、外付けHDDにもランサムウェアの攻撃がおよぶようになったため、日常の使い方レベルで対策しなければなりません。True ImageとAcronisクラウドストレージは、True Imageからしかアクセスできないようになっているため、ランサムウェアに攻撃されないのです。

2016年末から2017年にかけて、ランサムウェアへの対応をより強化できるように開発を進めています。低速なインターネット環境も意識しながら、アンチウイルスソフトでは守りきれない部分を強化していきます。True Imageの機能と、我々が持つインフラの両方からアプローチし、フロントエンドのTrue Imageにはアップデートで機能を追加することになるでしょう」