富士フイルムは9月20日、43.8×32.9mmのイメージセンサーを搭載した中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」を開発発表した。新たな「フジノンGFレンズ」6本とともに「GFX」と呼ばれるカメラシステムを構成する。同社はGFX製品群を2017春から順次発売する計画だ。

FUJIFILM GFX 50S

GFXシステムは、ドイツ・ケルンで行われている「Photokina 2016」の開催前日カンファレンスにおいてグローバルに発表された。

GFXシステムに搭載する「FUJIFILM Gフォーマット」イメージセンサーは43.8×32.9mmの中判サイズ。その大きさは35mmフルサイズセンサー (35×24mm) の約1.7倍となる。レンズマウントも「Gマウント」を新たに開発。これらに画像処理エンジン「X-Processor Pro」と富士フイルムが長年培ってきた色再現技術を組み合わせ、富士フイルム史上最高の写真画質を実現する。

中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」に搭載されるFUJIFILM Gフォーマットイメージセンサーは、有効8,256×6,192ピクセル・5,140万画素の高解像度。センサーサイズの大きさと相まって、質感や立体感、空気感をこれまでにないレベルで再現できるという。アスペクト比は4:3が標準だが、3:2、1:1、4:5、6:7、6:17なども選択できる。

FUJIFILM GFX 50Sのボディ重量は1kgを切る見込み。ボタンやダイヤルなどの操作インタフェースはXシリーズの設計を踏襲する。EVFは外付けとなる

Gマウント対応のフジノンGFレンズについては、次の6本が初期ラインナップとなる。いずれも防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用。絞りリングを搭載する。

  • 標準単焦点レンズ「GF63mmF2.8 R WR」(35mm判換算50mm)
  • 広角標準ズームレンズ「GF32-64mmF4 R LM WR」(35mm判換算25-51mm)
  • 中望遠ハーフマクロレンズ「GF120mmF4 Macro R LM OIS WR」(35mm判換算95mm)
  • 大口径中望遠レンズ「GF110mmF2 R LM WR」(35mm判換算87mm)
  • 超広角レンズ「GF23mmF4 R LM WR」(35mm判換算18mm)
  • 広角レンズ「GF45mmF4 R WR」(35mm判換算35mm)

Gマウント対応のフジノンGFレンズ6本

Photokinaの会場で行われたカンファレンスでは、富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長の高橋通氏が登壇。写真家ユージン・スミス氏の言葉「The World just does not fit conveniently into the format of a 35mm camera」を引用し、35mmフィルムだけでなくさまざまな写真フォーマットに対応してきた同社の歴史を紹介した。

富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長の高橋通氏は、写真家ユージン・スミス氏の言葉と富士フイルムの歴史が今回の「GFX」につながっていることを示した

富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャーの飯田年久氏がGFXシステムの特徴と技術仕様を説明した。このスライドはGマウントの採用について

センサーサイズは35mmフルサイズの1.7倍。有効5,140万画素を誇る