説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「『ヘルスケア』のデータ一覧に血圧や体温があるけれど、iPhoneだけで測れるの?」という質問に答えます。

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いいえ、iPhone本体だけでは血圧や体温を測定できません。現行モデルiPhone 6s / 6s Plus / SEの場合、『ヘルスケア』アプリのデータ一覧にあってiPhoneのみで測定可能な項目は、「アクティブエネルギー」と「ウォーキング+ランニングの距離」、「エクササイズ時間」、「スタンド時間」、「ワークアウト」、「上った回数」、そして「歩数」です。それ以外の項目は、基本的には周辺機器から送られてきたデータを扱います。

iPhone 5s以降のモデルは、数種類のセンサーを統合した「モーション・コプロセッサ」(iPhone 6s / 6s Plusの場合「M9」)を搭載しており、その情報にアクセスすることで上記の数値が導かれます。歩数やスタンド時間などモーション・コプロセッサが直接出した数値をもとに、上下運動の有無などを加味することで、「アクティブエネルギー」や「ウォーキング+ランニングの距離」を算出しています。

歴代のモーション・コプロセッサに血圧や心拍、体温などを測定するためのセンサーはありませんし、それらの数値は人体にごく近い距離でなければ測定は困難です。心拍測定を例にすれば、Apple Watchのような血管近くに固定する端末でなければ難しいでしょう。

そこでサードパーティー製測定機器に頼ることになりますが、スマートフォン対応をうたう製品の多くが専用アプリを使用し、そこにBluetoothやインターネットを経由してデータを送る仕組みとなっています。しかし、その場合『ヘルスケア』では測定データを見ることができません。

『ヘルスケア』に対応する製品もあります。たとえば、Withingsの「Wireless Blood Pressure Monitor」(日本未発売)という製品は、測定した血圧や脈拍のデータを『ヘルスケア』に転送できます。同様の機能を持つ体重計も販売されているので、興味があればチェックしてみましょう。

いろいろな項目がある『ヘルスケア』アプリですが、すべてをiPhone単体で測定できるわけではありません