カウントフリー機能はMVNEから提供

カウントフリーの仕組みは、ユーザーの通信内容からIPアドレス、ポート番号、パケットヘッダの一部(テキストや動画などのデータを含まないヘッダ部分のみ)を機械的/自動的にチェック・選別して行われる。この仕組みはLINEが提供するのではなく、LINEモバイルのMVNE(仮想移動体通信サービス提供者)であるNTTコミュニケーションズが提供している。LINE モバイルというサービスそのものはNTTコミュニケーションズがLINEの依頼で開発したもので、LINE モバイルはできあがったサービスを提供していると考えるといいだろう。

カウントフリー機能はMVNEであるNTTコミュニケーションズが提供

カウントフリーのように一部のサービスのみを無料にするMVNOサービスを「ゼロレーティング」といい、海外でも動画サイトが無料になるSIMが人気を集める一方で、通信の公平性やプライバシーの観点から問題とする声もある。カウントフリー(ゼロレーティング)サービスの対象外となるサービスは著しく接続機会を失うことになるのが問題というわけだ。

後者についてLINE モバイルでは、カウントフリーに関する説明書が用意され、同意しなければ契約できない流れになっているため、プライバシーの問題はないとしているが、通信の公平性についてはまだ議論が残っている。今のところ監督省庁である総務省をはじめ、行政側からの反応は見られないが、一方で他社からLINEをカウントフリーサービスとして提供したいという申し出があっても断ると説明しており、今やインフラのひとつとして定着した感のあるサービスとしては不公平だと受け取られても仕方のないところだろう。

いずれにせよ、MVNOとしては非常に強力なサービスがついに登場してしまった感がある。例えばデータ通信だけで見ればもっと安いサービスもあり、また固定電話や携帯電話向けの通話を含めても、先日発表された楽天モバイルの「050データSIM powered by Viber」のようなライバルはいるが、SNSも含めて考慮すれば最も競争力の高いMVNOのひとつとなるのは間違いない。LINE モバイルの登場により、3大キャリアや他の大手MVNOがどのように対応してくるかも大いに注目される。