IHとの相性を追求した各社各様の内釜

各社の高級炊飯器・2016年モデルは、さらなる美味しさの追求と、得意技の搭載が大きな特徴だ。美味しさの追求は、かまどで炊いたご飯の味へといかに近づけるかが共通のテーマ。東芝と三菱電機はこの趣旨で、2015年モデルから内釜を羽釜スタイルに切り替えている。

内釜は、IHとの相性を考慮した結果、象印マホービンは南部鉄器、タイガー魔法瓶は土釜、三菱電機は本炭釜、パナソニックはダイヤモンド竈釜、日立は打込鉄釜、東芝は備長炭入り遠赤外線コートと、各社で異なる素材を採用しているのが興味深い。内釜の工夫に加えて、高火力化、高圧力化などの性能向上により、各社ともに究極の美味しさを訴求。高級炊飯器はさらなる進化を遂げている。

もう一つ注目したいのが、白米を単純に炊くだけでなく、各社が白米以外のお米に対応したり、通常とは差別化した炊飯の仕方が選べたりと、特徴のある炊き方をコースとして設けている点だ。先にも述べたが、今回のカデンカフェでは、パナソニックの赤飯、タイガー魔法瓶の麦飯、三菱電機の玄米といった異なる米の炊き方に加えて、東芝の「そくうま30分コース」、日立の「冷めても美味しい保温ご飯」の炊飯スタイルの違いも提供した。

自分でよそって、自由に食べる!

参加者は炊飯器からご飯を自由によそって試食

白米として炊くお米は、宮城県北部の板倉農産の「ひとめぼれ」で統一。このお米は、イベント会場となった東京都豊島区の「都電テーブル」が特別に仕入れているものだ。炊飯の水は浄水した水道水を使用。ミネラルウォーターを使うと、味や硬さにかたよりが出てしまう可能性があったため、公平を期した。

食べ比べは、炊き上がったご飯を参加者が茶碗によそって自由に食べられる形で実施。ご飯の本来の味をしっかりと感じてもらうために、紙やプラスチックのお皿ではなく、家庭で一般的に利用される陶器の茶椀を用意した。

ご飯がすすむ、自家製のおかずも7種類を用意

また、ご飯がすすむように、わかめの味噌汁とおかずも用意。おかずは梅干し(塩分15%)、ゆかり、肉味噌、ちりめん山椒、しば漬け、鮭糀漬け、塩辛の7種類、すべて自家製だ。参加者からは「ご飯だけで食べるとピンと来なかったのに、おかずと一緒に食べると、ご飯の味がぐんと引き立つメーカーもあった」などの声が挙がった。