マウスコンピューターは23日、同社製品の生産拠点である長野県。飯山市の飯山工場にて、「親子パソコン組み立て教室」を開催した。県内外から30組の親子が飯山を訪れ、世界に1つのPC自らの手で組み立てた。

マウスコンピューター飯山工場で恒例の「親子パソコン組み立て教室」が開催

「親子パソコン組み立て教室」は、マウスコンピューターが夏の恒例行事として毎年開催しているイベントだ。会場である長野県・飯山市のマウスコンピューター「飯山工場」は、生産拠点として同社製品の製造を一手に担っている(一部特殊な製品を除く)。2016年6月には飯山工場に焦点を当てた動画を公開し、話題を集めた。

7回目となる今回は、各地からから30組の親子が参加した。長野県内や関東圏の参加者が多いが、中には関西から訪れた親子もいた。もちろんマウスコンピューターのことを知っている親子(というかお父さん)もいたが、飯山に工場があることを知らなかったり、組み立て教室でマウスコンピューターを初めて知ったという人もいた。

受付で担当する「先生」が出迎え

さて、2016年の親子組み立て教室は、昨年までとは違う動きがあった。まずはプログラムだが、従来は2回に分けて教室を開催していたが、今回は30組まとめてとなった。また「先生」として指導するスタッフも1組1人の担当とした。そして最も大きい点が「組み立てる場所」だ。

今回は備品のピッキングから組み立て、梱包までを実際の生産ラインで行う。飯山工場では一部を除き、1人で製品の組み立て工程を担当する「セル生産方式」を採用しているが、まさに実際に製品が製造されている様子をそのまま体験できるというわけだ。

イベント先立って行われた開校式で、マウスコンピューター 代表取締役社長の小松永門氏は「マウスコンピューターでは、お客様の要望に合わせてPCをカスタマイズして、製造していますが、今回みなさんが組み立てるのはほかにないオリジナルのPCです。組み立て教室を機に、今後さらにPCに理解を深めてもらって、PCがみなさんのよい友達になることを期待しています」と挨拶した。

マウスコンピューター 代表取締役社長の小松永門氏

飯山市 市長の足立正則氏。手に持っているのは外装に金箔を施した「MADOSMA」。飯山氏は寺の町として知られ、仏具店も多く、昔から金箔が良く使われてきた。つまりマウス製スマホと金箔で「オール飯山産」

また、同じく開校式に出席した飯山市 市長の足立正則氏は「マウスコンピューターの飯山工場は、飯山市でも最先端の工場ですが、豊かな自然に囲まれた地域でPCが作られています。今日は組み立て教室を通じて親子の楽しい思い出を作ってもらえれば」とした。

開校式の後、実際の組み立て作業に入る前に参加者は3班に分かれて、これからパーツのピッキングやパーツがどんな役割を持っているかの説明、飯山工場内の見学を行った。

仕様表のバーコードを読み取ると、必要なパーツが置いてある棚のライトが光り、そこからパーツをピッキングする

組み立て教室の校長を務めた藤巻先生がじきじきにパーツの役割や作業での大事なところを伝授

続いて、新たな試みとしてPC組み立て前のウォーミングアップ代わりに、「キーボードの組み立て」や「無線LANモジュールの取り付け」対決を開催。作業のスピードや出来上がりを競った。

ウォーミングアップ代わりに行われた「親子でトライアル」。キーボードの組み立てや無線LANモジュールの取り付けの速さと出来栄えを競う

トライアルでは「先生」の助言や手助けは一切なし。親子だけで作業する

審査に応じてさまざまな賞品を用意。試しに1つ中をのぞくと飯山の名産品が。このほか賞に応じて中身は異なるとのこと

それではいよいよPCの組み立てに挑戦。親子と先生役のスタッフと力を合わせてPCが組み立てられていく。子どもたちも最初はおっかなびっくりという手つきだったが、徐々になれてきたようで、終盤はねじを回す様子も堂に入っていた。

休憩を挟んでいよいよ自分のPCを組み立て

今回は事前に組み立ての概要などを解説する小冊子を配布したという

組み立て教室と直接関係ないが、筆者が気になったのは、CPUを取り付ける際に新たに治具を使っていたことだ。昨年はなかったのだが、作業の合間にスタッフの方に聞いてみると、CPU取り付け時のミスを減らすために2016年から導入されたものだという。いつも行われている作業で日々改善が図られているように、毎年開かれている組み立て教室でも年々よくしていこうという意識のもと、運営されていることが感じられた。

2016年になってから導入されたCPU取り付け用の治具

組み立て終わると、ソフトウェアインストール、動作チェックを経て、完成となる。組み立てはPCは「子どもへ」というケースもあれば、「家族みんなで」使うなどさまざま、中には「組み立てたPCはお父さんが使って、お古を子どもに」という親子もいた。いずれにしてもどの親子も笑顔で飯山工場を後にしていた。

PCが完成したら修了証書と親子トライアルの賞品を授与