多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『速度制限を受けるとVoLTEの音質は悪化する?』という質問に答えます。

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VoLTEは「Voice over LTE」の略で、LTE(4G)回線を利用した音声通話システムです。パケット通信で音声データをやり取りするため、モバイル回線の周波数帯域を効率よく利用でき、従来型の回線設備を維持するコストを減らせるというキャリア側のメリットがあります。高効率/高音質なコーデックの採用による通話品質の向上を期待できるため、ユーザ側のメリットも大です。

音声データはパケットとして4Gネットワーク上を転送されるわけですから、VoLTEはデータ通信の一種ではありますが、VoLTEサービスを提供しているキャリア各社は、一般的なデータ通信とVoLTEを区別しています。VoLTEを利用した音声通話では通話料は発生するものの、データ通信扱いではないためパケット通信料はかかりません。

速度制限を受けるとVoLTEの音質は悪化するかというご質問ですが、心配にはおよびません。もし1カ月あたりの通信量上限を超えてしまい、低い通信速度での利用を余儀なくされたとしても、そもそもVoLTEはデータ通信としてカウントされないため影響を受けません。つまり、速度制限を受けてもVoLTEの音質は同じです。

2016年7月現在、VoLTEは同一キャリア間/4Gエリア間/VoLTE対応端末間でのみ高音質通話となります。それ以外の場合は、従来方式の音声通話相当の音質になります。通話中でも4Gエリアの外へ出てしまえば、VoLTEの適用外となり音質は従来水準にダウンします。通話品質は電波環境や回線の混雑状況にも影響を受けますから、もし音質が低下したと感じたのであれば、電波環境がいいエリアを選び通話するといいでしょう。

データ通信とVoLTEは区別されているため、通信制限の影響を受けません