ロジクールのクラスターカテゴリーマネージャー、榊山大蔵氏

2年前、試金石として同じコンセプトで作られたK480を市場へ投入したところ、反響が大きく、「据え置きで使いたい」「テンキーが欲しい」などの改善点も寄せられたという。この声を受けて誕生したのがK780だという。

ロジクールのクラスターカテゴリーマネージャー、榊山大蔵氏は、「一人で複数台のデバイスを持つことが当たり前になっており、仕事やプライベートに関わらずスマホで連絡を取ることが一般的になってきた」と個人のデバイス利用傾向を説明。PCを置いたデスクの前に座っていても、スマホに来た連絡を(PCではなく)スマホで返す人が多いといい、「この課題を解決することに、潜在ニーズがあるのでは」と開発の動機を語った。

また、GfK Japanが2016年6月に行ったマルチデバイス利用調査によると、「PCを使用中にスマホやタブレットで文字入力をすることがある」ユーザーが66%、「スマホで長文を入力する時にストレスを感じたことがある」ユーザーが78%を占める結果に。また、4人にひとりが仕事中にスマートフォンを使ってメモやメールをすることに「後ろめたさ」を感じることがわかったという。

GfK Japanが2016年6月に行ったマルチデバイス利用調査の結果

「仕事のふりしてプライベートなことも返信」

同社は接続先を切り替えるマルチデバイスキーボードの潜在需要を、2,200万台と想定。今回、新しく「マルチデバイスキーボード」という概念を前面に打ち出し、「需要をいかに広げていけるかがポイント。その主翼を担うのがK780」と語った。

発表会では、アルド代表取締役の北田将行氏がエンドーサーとして登場。2週間K780を仕事で使ったところ「複数のデバイスを使う仕事場なので、本来ならマルチモニタが必要な状況でも、その場でメールを見ながらメモを書いて、見終わったらすぐ送ることができ、効率的な運用になった」という。榊山氏も、「仕事のふりをして、プライベートなことも返信できる。そういったニーズも多いと思う」「机上に複数のデバイスが散らばらず、スタンドにスマホ、タブレットを立てかけられる。仕事ができるように見えるのでは」などと、K780の用途を紹介していた。

ロジクールの榊山大蔵氏(左)と、デザイン事務所アルド代表取締役の北田将行氏(右)。