冒頭にも書いた通り、今回の被写体は飛行機。そこで、梅雨の晴れ間を突いて厚木方面へと向かった。今回の撮影においては、友人のY氏から有意義なアドバイスを数多くいただいた。ここに、あらためて謝意を表したい。

鏡胴のスイッチ類。一番上のスイッチがフォーカスリミッター

まずは何はともあれ、海上自衛隊 厚木航空基地へ。県道40号横浜厚木線からフェンスの向こう、滑走路にレンズを向けると、こちらに向かって機体が離陸してくるのが見える。

カメラのAFをコンティニュアスに、レンズのフォーカスリミッターをオンにする。これはピント合わせ時、レンズの駆動範囲に制限をかける機能だ。5m以上離れた被写体を撮影する場合、これをオンにすることでより高速なAF駆動が期待できる。

しかし、それでも頭上を通過する飛行機は近くて速く、AFの食い付きはともかく、機体を構図に収めるのが非常に難しい。おまけに曇り空で逆光と、撮影自体は違法ではないが一部不適切といわざるを得ない状況だ。

1/2000秒 f6.4 400mm ISO200
滑走路から離陸するUC-12F。あまりの速さと大きさに、フレームに収めることができなかった

そこで、順光で撮れる場所を探して、もう少し離れた場所へ移動。公園の木々の間から狙える場所を見つけた。そして、シャッター速度を1/250秒まで落とす。これは、レシプロ機のプロペラをより「回っているように写す」ため。被写体がレシプロ機の場合、プロペラが止まっていると墜ちそうに見えて不安な写真になってしまうからだ。機体は流し撮りで止める。

……と、脳内シミュレーションを繰り返していたのに、飛んできたのは海上自衛隊 P-1(ジェット機)。 結果的には、ほぼ意味のない流し撮りになってしまったが、その画像はといえば、ビシッと止まっている。これもひとえに、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRの手ブレ補正機構によるものだろう。最大でクラス最高となる5.0段分の手ブレ補正効果を発揮、レンズがパンニング操作を感知すると、自動的に上下方向のみの手ブレ補正に切り替わるのだ。

1/250秒 f16 218.7mm ISO200
P-1。腹部のソノブイ投下口もはっきり見える。テールのMADブームが切れてしまったところに、撮影の不慣れさが表れている

正直、ファインダーをのぞいている限りは、手ブレ補正の効果を実感するのは困難だ。しかし、撮影結果はビシッ! と止まっている。

午後からは風向きが変わるらしいと、Y氏から連絡が入った。そこで、基地に沿って西へ移動し、高台の公園に向かう。ここからは基地に向かって飛来する着陸機を狙えるのだ。