サイトコアは6月1日、広報・宣伝、マーケティング、営業推進、Web担当者向けに「CMSで実現するカスタマーエクスペリエンス~国内外の顧客ニーズに迅速に対応できる効率的なサイト管理・運用のコツ~」と題してセミナーを開催した。

セミナーでは、まず、サイトコア セールスグループ 古賀信二氏が「失敗しないCMS基盤~導入選定ポイント~」と題して講演。

同氏はアンケート調査をもとに、「海外進出を図る企業は56.7%あり、企業の65%はWebサイトを2~5の多言語対応にしていく意向であると回答しているが、そのうちの6割は、予算や人的な理由で断念している」と、企業の多くは自社サイトを多言語対応したいと考えているが、それを実現することが難しい現状を説明した。

同氏によれば、グローバルWebサイトの構築・運用の課題として、管理サイト数の増加や翻訳による管理負荷の増加、コンテンツの量/種類や更新頻度増による運用負荷増の2つがあるという。

グローバルWebサイトの構築・運用の課題

これらの要因としては、2008年頃はWebページは、写真、検索が中心だったが、最近では動画、SNS、ブログ、イーコマース、モバイル対応、多言語化など、かつてなかったものが登場している点も影響しているという。

また、構築・運用の課題として、管理サイト数の増加や翻訳による管理負荷の増加、コンテンツの量/種類や更新頻度増による運用負荷増も理由として挙げられるという。

さらに、グローバルでWebサイトを効率的・効果的に運用していく上での課題としては

・Webの作成方針がサイロ化し、各拠点ごとにバラバラ
・各拠点でローカライズプロセスが統一されていない
・各拠点で翻訳方針やメッセージが統一されていない
・各拠点との連携が見える化できない、ステイタス管理ができない
・グローバルでコンテンツ制作コストが把握できない

という5つの課題を挙げた。

そのため、翻訳機能、多言語コンテンツ管理、セキュリティーの担保、共通コンテンツ機能、共通のUI&UXのサイト構築などの機能がCMSに求められるという。

そして、これらの機能を持つCMSを利用することによって、デザイン/品質統一、コスト削減/業務効率化、売上/シェア拡大が可能になるとした。

グローバルWebサイトのポイント

また、同日のセミナーでは、顧客ひとりひとりに適切な状況とタイミングで適切なコンテンツを配信していく「コンテクストマーケティング」についても紹介された。

「コンテクストマーケティング」とは

古賀氏によれば、今後は顧客中心のマーケティングが必要で、「コンテクスト」は背景など顧客を取り巻くさまざなな状況を指し、これらを把握し、顧客に合わせたカスタマーエクスペリエンスを提供するのが「コンテクストマーケティング」だという。

同氏は「顧客中心のマーケティングが必要で、ビジネスの成長のためにはパーソナライゼーションによるカスタマージャーニーを設計することが必要だ」と語った。

カスタマージャーニー

同社では、「コンテクストマーケティング」を行う際には、カスタマーエクスペリエンス成熟度モデルを利用することを推奨している。成熟度モデルには、企業のデジタルマーケティングを加速させるための7つの段階があり、企業の80%は第2段階にいるという。第2段階とはコンテンツをソーシャルで使い始める、アクセス解析、リスティング広告を始めた段階だという。

そして、次のステップはデジタルメディアを活用する段階で、そこから入ってきた顧客をパーソナライズして広告を出していく段階だという。

同氏は、成熟度モデルを進化させていくために、デジタルによる顧客接点を構築することが重要だと指摘。海外の成功事例としてDanonを紹介した。

Danonでは、Webのメニューから、妊活中、妊娠中、乳児を持つ親、幼児を持つ親のいずれかであるかを判断し、それにあわせてメッセージや画像を変えている。そして同社では、妊娠の状態や子供の誕生日を入力してもらうサイトを別途つくり、妊娠初期から子供の3歳の誕生日までのタイムラインを引き、購買履歴やイベント参加など母親のアクティビティ履歴を収集・統合、カスタージャーニーを設計しているという。

カスタマイズジャーニーを最適化

取得した母親のアクティビティ履歴を収集・統合

その結果、Online Salesは前年対比の成長率700%、月次の平均成長率75%、月次の平均購入リピート率140%を達成したという。