「COMPUTEX TAIPEI」開幕2日目は38.7℃と台湾観測史上、6月の最高気温を更新したほどのドピーカン。歩いてるだけで汗が落ちる中、2日目は台湾101の周辺に広がる台湾国際貿易センター(TWTC)会場の取材。例年、大きなメーカーは南港に出展し、こちらは小さな周辺機器メーカーが集まるごちゃ混ぜ感が味わえる。実際、それ権利関係大丈夫? というものや、どこかで大手メーカーが作ってたの見たことある! というものがたくさん。ま、もちろんその中からキラリと光るものを見つけるのがCOMPUTEX TAIPEI取材の醍醐味なわけですが。

38℃を超え6月の観測史上最高温度を更新した2日目。101も溶けるんじゃないかというくらいのピーカンです

TWTCのごちゃごちゃした展示会場。小さなブースがたくさん並び、様々な製品が展示される

なんと極小規模だったiStyle展示

さて前回の記事でもちょっとだけ触れたApple製品を集めた展示「iStyle」。Apple MFi-certifiedな製品やアプリを扱うメーカーを集めたと告知があったので、これはApple系ライターとしてはチェックせねば! と考えていた。しかし南港の取材ではそれらしいものを見ることはなかったため、これはTWTCにあるんだろうなーと期待したんだけど……あれ、やっぱりない?

iStyleの告知カード……なんと裏には5社のみが!

で、改めてチェックしてみると、なんとiStyleに参加している企業は5社のみ。しかも南港にそれがあったと? えー、聞いてないよー。てかなぜそんなに少ない、参加企業。Apple MFi-certified製品はあちこちのブースで見かけたと思ったけど。

マップを改めて確認してみるとここにあるだけ

ああ、ここは見て回ったはずだけど記憶にない……。なんてことでしょう。これは改めて謳うべき規模だろうか。これを期待してきた人たちは肩透かしを食らうかもしれない。……来年はもっと参加企業が集まることを期待したい。

気を取り直して気になったあれこれ

あまりのショボさに脱力したものの、もちろんそれでは終われない。気を取り直して会場を周回すると、それなりに面白そうなものもある。

今回一番面白そうだったのは、普通の時計にモジュールを仕込んでスマートウォッチ化するPRINCOの「iMOVEMENT WATCH」。既存のクオーツ式時計(機械式はモジュールを埋め込めるスペースがないので不可)の中に専用のモジュールを入れることで、時計に色々な機能を持たせられる。ジャイロセンサーで時計を動かしてiPhoneを操作するのも可。カメラで撮影したり、歩数計として使うことも可能。今持っている時計も利用できる(取り付けはメーカーが行うのでその方法は検討中とのこと)。

クオーツ式時計の隙間にiMOVEMENTモジュールを組み込んでスマートウォッチ化。Bluetooth4.0で接続し、電池は1年ももつという

アプリには歩数計、カメラのシャッターなどのほか、電話をかけたり電話を探したり、メッセージの通知もできる

もちろん時計に液晶をつけられるわけではないが、通知などをメインに使うなら十分にアリ。大事に使っている時計をこれからも使い続けられることを考えるととても面白い製品と言えるのではないだろうか。

KickStarterでスタートし、今年のCOMPUTEX TAIPEIではd&iアワードを受賞したiPhoneケース「SNAP! PRO」。基本のケースに3種類のグリップと6種の交換レンズを付け替えることで、iPhoneを「カメラ」として活用する製品。単純にiPhoneで撮るよりも本格的な撮影が楽しめる。

下から順に持ち歩き用の標準グリップの「On-The-Go」、木製の手触りの良いスナップを使える「Premium」、そして三脚固定用のネジ穴がついた「Photographer」の3種類のグリップと望遠、広角、フィッシュアイなどの交換レンズが揃う

現在はAndroid用しかないのだが気になったのが、WEEVIEWの「Eye-Plug」 。これはUSB端子に繋いで使う3D用撮影用カメラ。スマホのカメラと取り付けたカメラの2つを使って撮影することで視差を作り、3Dビューア用の映像が簡単に撮影できる。複雑に考える必要がなく、接続して撮影するだけでこの手の映像が作成できるのはとても面白い。

小さなカメラを接続して撮影すると、3Dビューアで利用できる映像が簡単に作れる

Lightning端子でiPhone用は作らないのかを聞いてみたところ、今はまだスタートアップ企業なのでMFi-certifiedが取れない(取るお金がない)そうで。ぜひ今ある製品がバカ売れして、iPhone用が発売されることを願いたい。

そして最後に紹介したいのがこれ。一昨年のCOMPUTEX TAIPEI取材時に紹介したレーザーポインタメーカー iPinが今年も出展しており、あのときよりも実用性のある製品を発表していたのだ。

COMPUTEX TAIPEIで発表されたiPin Spatial Ruler。レーザーポインタ式の計測器だ

なんとレーザールーラー。前の製品と同じようにiPhoneのイヤホン端子に接続。専用アプリを起ち上げてレーザーポインタを当てると、対象物までの距離を計測できるのだ。また対象物の長さなども計測可能。例えば限られたスペースに棚を置きたいとき、そこに置けるサイズを計測できるだろう。

iPhoneに写っているポスターのサイズを表示しているところ。レーザーポインタで計測した距離を使って計算して求めているようだ

以前の単なるレーザーポインタでしかないときには一発モノかなぁと思っていたのだが、こんな風に進化している姿を見ると何だか嬉しくなってしまった。これからもレーザーポインタを使った面白いものを開発して欲しいものだ。

こうして駆け足で見てきたCOMPUTEX TAIPEIで見つけたApple関連の気になるもの。果たしてiPhone 7のトレンドは今回の方向に進むのか。そして来年のiStyleはどうなるのか。(泣)色々な点で注目していきたい。COMPUTEX TAIPEI 2016は6月4日まで。