新しいオフィスに関しては、他社のさまざまオフィスも参考にしたが、(見ばえと話題性の強い)先進的オフィスではなく、現実的なオフィスを目指したという。基本的にはノートPC使用のフリーアドレス制だが、部門単位で使えるエリアが決まっており、「島」同士の中央に複合機やプロジェクタを配置している。複合機は約30人に1台、プロジェクタは約20人に1台の割合とのことだ。

机の配置は、グループのメンバーが背中合わせになるようにしている。集中したいときは机に向かい、ちょっとしたディスカッション時は椅子を回すだけでメンバーと話ができるという意図だ。また、ペーパーレス化を100%推進するのではなく、紙とプロジェクタを併用したり、データ入力が多い部門には液晶ディスプレイを設置したりしている。面白い趣向として「部長のデスクや部屋」をなくし、オフィス全体の見通しがよいフロア構成にしたそうだ。

フロア図を見て「会議室が少ないかな」と感じたが、これはオープンスペースでかなりの部分をまかなう。それでも足りない場合は、「他フロアの会議室も利用可能」として解消する。

31階のオフィス。どのフロアも基本的にこのような配置となっているそうだ。壁やパーティションを極力なくし、コミュニケーションを取りやすくするのもコンセプトのひとつ

奥に見えるプリンタ(スマートチャージ)の脇には、オープンスペースのデスクを用意。ちょっとした打ち合わせですぐ利用できる

資料を共有しながらというミーティングには、プロジェクタ付きのスペースを用意。これもオープンスペースで数は多めだ

セミオープンのパーティションで囲まれたスペースも、ないわけではないが少ない。ノートPCの隣りに見えるのは、エプソンのタブレットとスピーカーフォンを使用した簡易TV会議パッケージ

ハードパーティションで囲まれた「会議室」もあるが、予約制で少なめ。ただし、別フロアの会議室も利用できる運用にしているという

フロア内のリフレッシュエリアも、パーティションなしでオープン。冷凍冷蔵庫と電子レンジも置いてあった。飲食優先だが、ミーティングに使ってもよい

社内向け情報の伝達手段、およびプロジェクタの利用応用として、私物ロッカーの上部に社内サイネージを投映