富士通は3月23日、ディスアグリゲーション構成を採用した次世代グローバル光伝送システム「FUJITSU Network 1FINITY(1FINITY)」シリーズのラインアップを4ファミリに拡充し、光伝送ネットワークの構築に必要となるトランスポート、WDM、スイッチ、アクセスの各機能をそれぞれブレードとして提供すると発表した。

「FUJITSU Network 1FINITY T200」

1FINITYシリーズは、トランスポート、WDM、スイッチ、アクセスの機能ごとにディスアグリゲーションし、それぞれを1RUにブレード化した新たな光伝送システム。各機能の中から必要なものだけを選択し、スモールスタートを図ることが可能なため、ネットワーク構築にかかる初期投資の削減と需要に応じた段階的な増強投資が可能。また、それぞれの機能が個別の機器として独立しているため、最新技術の適用や継続的な性能改善を機能ごとに迅速に行えるという。

「ディスアグリゲーション構成」イメージ図

また、既存の光伝送システムであるFLASHWAVEシリーズなどと互換性があるため、それらの製品をベースに構築された既存のネットワークに対する機能の拡張や補完が容易に行える。さらに、SDN/NFVソフトウェアのFUJITSU Network Virtuora(バーチュオーラ)シリーズと組み合わせることにより、使用者はディスアグリゲーション構成を採用したネットワークの自動化や仮想化を容易に実現することが可能。

そのほか、オープンアーキテクチャーを採用しているため、他社のネットワーク機器との相互接続ができ、オープンAPIによる標準インタフェースを採用することで、様々なSDN制御ソフトウェアを通じたOSS、BSSとの連携も容易に実現できる。

機能ごとに分割された「トランスポートファミリ」「Lambdaファミリ」「スイッチファミリ」「アクセスファミリ」の4ファミリで構成されている。下表は各ファミリの概要。

機能 説明
トランスポートファミリ メトロ網(都市圏)、コア網(都市間)、および長距離向けに大容量トランスポート機能を提供
トランスポートファミリ 目的に応じて柔軟な波長配置、方路切り替えが自動設定可能。4方路、128波長まで対応可能な小型CD ROADM機能を提供。今後リリースするブレードを追加することで、より多くの方路数に対応可能となる
スイッチファミリ 高密度イーサネットスイッチ機能を提供。イーサネットVPN、モバイルバックホールトラフィックやデータセンター間接続を効率的に多重化し、シームレスに光コアネットワークに接続
アクセスファミリ 10G EPONやNGPON2などの次世代アクセステクノロジーに対応し、家庭向けや企業向け光通信サービス、およびモバイルフロントホール向けアクセス網に、10Gbps光アクセスネットワークを実現

シリーズすべての製品は、個別見積りで提供され、北米市場を皮切りに2016年度第1四半期(4-6月期)から販売を開始し、順次グローバルに展開していく。