ピクチャースタイルや8コマ/秒の高速連写に対応

カメラ内部の性能面では、画像処理エンジンの一新に注目したい。前モデルの「DIGIC 6」から、本モデルでは「DIGIC 7」へとバージョンアップし、画質と機能が向上。具体的には、高感度ノイズが低減されたほか、被写体の検出性能と追尾性能の向上、絞り込んで撮る際に生じる回折現象の補正、手ブレ補正の強化、オートライティングオプティマイザの精度向上などが図られている。

発色傾向をカスタマイズする機能として、EOSシリーズでおなじみの「ピクチャースタイル」に対応したことも見逃せない。従来のPowerShot Gシリーズの発色調整機能である「マイカラー」は調整値の選択肢が乏しく、RAWデータには適用できない点が不便だった。その点、EOSと同様のピクチャースタイルではより柔軟な絵作りが可能になった。ピクチャースタイルはRAWやRAW+JPEGモードでも選択でき、撮影後のRAW現像時に設定値を変更することも可能だ(カメラ内現像も可能)。

ピクチャースタイルは、「風景」や「ポートレート」「ディテール重視」など8種類のプリセットを用意。シャープネスやコントラストなども細かく設定できる

カメラ内でのRAW現像に新対応。露出のほか、ピクチャースタイルやホワイトバランス、オートライティングオプティマイザなどを自由に変更できる

ピクチャースタイルの「スタンダード」を選択。彩度とコントラストが程よく高められた見栄え重視の発色になった

ピクチャースタイルを「モノクロ」に切り替えることで、軟らかいモノトーンで暗部から明部までの階調を表現

ピクチャースタイル「スタンダード」、ホワイトバランス「太陽光」で撮影した元のデータ

カメラ内RAW現像によってピクチャースタイルを「風景」に、ホワイトバランスを「マニュアル」にそれぞれ変更。より印象的な写真に仕上がった

連写スピードは、約6.5コマ/秒から約8コマ/秒へと高速化した。しかも前モデルは、RAWモードの際は1コマ/約1.1秒という遅さだったが、本モデルではJPEGだけでなくRAW記録の際にも約8コマ/秒で連写可能になっている。またRAWデータは12ビット記録から14ビット記録へと進化した。

新機能としては、一定間隔で撮影した静止画から動画を作成するタイムラプス動画や、被写体およびカメラの動きを検知して、最適なシャッター速度に自動設定する「流し撮り」モードを搭載。G5 XやG9 Xと同じく、USB充電が可能になったこともありがたい。

撮影メニューでは、露出シミュレーションの「する/しない」が切り替え可能になった

背面のQボタンを押すと表示されるクイック設定メニュー。表示項目のカスタマイズもできる

バッテリーには引き続きリチウムイオン充電池「NB-13L」を採用。フル充電時の撮影可能枚数は約210枚から約265枚に向上している

ポップアップ式の内蔵ストロボは前モデルを継承。調光補正やマニュアル発光、スローシンクロ発光などに対応する