京浜急行電鉄(京急)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、ブリックスの3者は2月17日、多言語音声翻訳サービス及び電話通訳サービスの共同研究を開始し、京急の12駅の構内での実証実験を開始した。

「鉄道通訳」の画面と通訳電話ボタン

同研究は、駅の改札窓口などで駅員が外国人に鉄道の利用案内などを行う場面を想定し、機械翻訳と電話通訳のハイブリッド・サービスの有効性などを検証することを目的としているという。NICTの多言語音声翻訳アプリケーションである「VoiceTra」(ボイストラ)をベースに、ブリックスが提供する電話通訳サービスを利用する共同研究用アプリケーションである「鉄道通訳」を作成した。

これをタブレット端末にインストールし、駅員が外国人とのコミュニケーションに用いる。実証実験は、羽田空港国際線ターミナル駅や同国内線ターミナル駅、品川駅、横浜駅など12駅で実施する。また、鉄道通訳の対応言語はVoiceTraと同じく、日本語・英語・中国語・韓国語を始めとする29言語。

鉄道通訳のイメージ

同サービスの導入により、訪日及び在日外国人からの問い合わせ内容に応じてNICTの多言語音声翻訳技術とブリックスの電話通訳サービスを組み合わせて利用可能になり、駅における乗換案内や料金の確認などを、多言語で迅速に可能になると期待できるという。 例えば、外国人とのやり取りが比較的簡単な場合にはVoiceTraの音声翻訳を利用し、難しい場合には人の通訳に代わるというように、通訳者による丁寧な対応が必要な場面を絞り込むことにより、助けが必要な全ての外国人に対する案内と、外国人1人1人とのコミュニケーションの質の向上との両立を目指すとしている。