どんなテコ入れを行うかに注目

では、どんなテコ入れが行われそうか。iPhoneについては、カメラへの新機能の追加や、iPhone 6sシリーズで一旦重量や厚みが増加したデザインをスリムに引き締め、デザイン変更を大きくアピールすることになるはずだ。

また、4インチサイズのiPhoneの再来についても、噂が拡がっており、小型デバイスを好むユーザーや販売価格が安いiPhoneを求める新興市場に効果的なものとなりそうだ。

iPadについては、2015年11月に発売した12.9インチのiPad Proの仕様を、9.7インチへ拡大していくかどうかに注目している。4つのスピーカーの搭載、キーボードを接続できるSmart Connectorと、キーボード一体型カバーのSmart Keyboard、非常に高い感度を実現するApple Pencilという新たな魅力は、より小型で価格の安いiPad Airシリーズへの投入でより高い効果を発揮すると考えている。

書き心地の高さを売りにするApple Pencilと大画面iPadのiPad Pro

Macについては、現在、Retinaディスプレイの非搭載モデルはMacBook Airのみとなった。後継機種が出るのか、撤廃されるのかはまだ明らかになっていないが、Retinaディスプレイ搭載のMacBook Airを13インチのみとし、こちらも2012年からデザイン変更が行われていないMacBook Proの刷新を行うことも予測できる。

MacBook Airに高精細ディスプレイのRetinaが搭載されるかに注目

Appleブランドの総合力を高める1年に

同時に、複数のAppleデバイスを持っていることによる魅力をより高める施策を、クラウド等のサービス側でより強化していくことになるだろう。前述の通り、Appleはハードウェアメーカーだ。1人1台ではなく、1人2台、1人3台のApple製品を持ってもらう努力は、非常に理に適った戦略だ。

引き続きiPhoneを核としたビジネスのなかで、iPhoneに対するApple Watch、iPhoneに対するiPad、iPhoneに対するMacと、より明快な「組み合わせによるメリット」をアピールしていくことになるはずだ。

加えて、iPhone以外の入り口をいかに作るか、もまた重要課題と言える。継続して売れていく存在をいかに作り出すか。新たなイノベーションやビジネスモデルへの期待も含めて、注目していくべきテーマとなるだろう。