ステンレス製ハウジング採用のATH-ES750

ATH-ES750は、ステンレスハウジングを採用した密閉ダイナミック型ヘッドホンだ。ハウジングのステンレス材には強度に優れたステンレス鋼材を使用。職人によるヘアライン仕上げと鏡面加工を施すことで高級感を演出している。

ヘアライン仕上げと鏡面加工を施したステンレス製ハウジング。高硬度なステンレス鋼材を使用し、ヌケの良い音を実現

ATH-ESW950に比べるとイヤーパッドは固めか

ロックの疾走感を見事に表現

本機は適度に高い解像度と音場の広さでロックやポップスのノリをうまく表現する。ブルース・スプリングスティーン「Jackson Cage(FLAC 96kHz/24bit)」のような、疾走感が命と言えるようなロックナンバーがとくによい。この曲は、解像度の低いヘッドホンで聴くと音の塊感が強くなり、解像度が高すぎると細部が見えすぎて曲の迫力が薄れてしまうが、本機で聴くと分厚いながらもきらびやかな疾走感のあるサウンドが堪能できる。

女性ボーカル曲もよい。平原綾香の「威風堂々(FLAC 88.2kHz/24bit)」を聴くと、距離感が近く中域の出がよいため、歌声に迫力がある。かすれながらもよく伸びるボーカルの再現もリアルだ。高音もよく出ているが刺さることはない。

管楽器をメインとしたクール系のジャズが好きな人にもこのヘッドホンはよい。マイルス・デイビス「So What(FLAC 192kHz/24bit)」を聴くと、トランペットの音が刺さらずに良く伸びる。低域のしまりがよいのでリズム隊の音も非常にタイトに聴こえる。