子供が、いつ、どこにいたのか、ひと目で確認

ottaは、子供が身に付ける防犯ブザーに対して、位置情報が分かる仕組みをプラスしたサービスだ。防犯ブザー機能を備えたotta端末「otta.b」には、Bluetooh Low Energyを利用したBeaconモジュールが搭載されていて、微弱電波で端末固有の情報を発信し続ける。このotta.bに、専用アプリをインストールしたスマートフォンが近づくと、スマートフォンが自動的にBeacon電波をキャッチ。otta.bの固有情報とスマートフォンの位置情報をottaのサーバーに送信し、サーバーに位置情報が記録される。

スマートフォンに専用アプリを導入したユーザーは「見守り人」と呼ばれる。見守り人のスマートフォンは、otta.bの情報をサーバーに送り出すものの、個別の情報はスマートフォンの中に残さない。見守り人は純粋に地域の安全に貢献するだけの存在という訳だ。

otta.bは手のひらにすっぽり入る(直径46mm)マカロンのような形状。重さは25gでカバンに付けても気にならない。防水設計で、電池寿命は最長2年

保護者は管理者用のottaアプリをスマートフォンやタブレットに導入し、自分の子供が持っているotta.bの位置(つまり子供の位置)を端末上で確認できる。地域内にottaの見守り人が多くいればいるほど、otta.bの位置を把握する網の目が細かくなり、「いまどこにいるのか」「さっきまでどこにいたのか」が正確に分かるようになる。

ルーター機能を備えた基地局も用意され、学校や学童、予備校、図書館などの子供がよく行く場所や、通学路に立地するコンビニやスーパーなどの商店に設置することで、子供が特定の基地局の近くを通過したときに、その保護者に通知するといった機能も備えている。

見守り人向けのアプリ画面。otta.bとすれ違った数をカウントする。個人情報を守るため、カウントはすれ違った直後ではなく、一日に一回まとめて更新

すれ違った数の月間ランキングが表示されるという、ちょっとしたお遊び機能も。月初のため全体的に数が少ない

正式サービスの開始は4月からで、otta.bやアプリは無料で配布、サービス使用料は月額300円を予定する。

中国分小学校の実証実験は、実際に運用してみてどのような問題や改善すべき課題があるか見つけてブラッシュアップするためのものとなる。ottaの実証実験は、既に広島市の安田小学校や福岡市の警固小学校で実施されており、その保護者からは「携帯電話は持たせたくなかったので良い代替ツール」「地図と時間が連動して見られて分かりやすい」などの声が上がっている。