2016年の年頭にあたり、KDDI 代表取締役社長の田中 孝司氏は、以下の年頭所感を発表した。

「"変革"に挑み、新たな成長を確固たるものにする」

新年明けましておめでとうございます。
2016年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。

KDDIは、2016年4月より、新たな3ヶ年の中期計画を、スタートさせていきます。
この新中期計画を進め、KDDIがさらに飛躍していくためには、我々自身の「意識」と「行動」を大きく変えていかなければならないと考えています。
2016年は新中期計画の初年度として、「会社も個人も"変革"していくことにより、新たな成長を確固たるものにする」という、1年にしていきたいと思います。

はじめに、昨年について振り返りますと、2015年は、通信を取り巻く、ビジネス環境の大きな変化が、はっきりと見えた1年でした。
通信業界全般においては、モバイル市場の同質化とMVNOの拡大が進み、スマホシフトは鈍化が続いています。その一方で、通信各社は、新たな収益確保に向けて、上位レイヤー、O2Oビジネス、ポイントの活用、他業種との連携等、動きを活発化させています。
競争軸が、これまでの通信分野から、その周辺、さらには通信以外の分野も含めた、「より広い領域」にシフトしており、競争相手も従来の通信会社だけでない時代に突入したと言えます。今後、あらゆる産業分野が関わるIoTが進展すると、この動きはより一層加速するものと思われます。

KDDIは、2015年「新たな成長へ向けて実行する1年」として、3M戦略の推進、付加価値領域のお客様基盤の拡大、au WALLET Marketの開始、ミャンマー通信事業の推進等、様々な取り組みを進めてきました。
これからも、KDDIが成長企業として発展していくためには、各取り組みを深化させるとともに、これからの3年間で、通信会社KDDIから、国内外を問わず、事業領域の垣根を越えて、あらゆるビジネスチャンスにチャンレンジしていく企業に、KDDIは生まれ変わらなければなりません。そのためには、世の中や市場の変化だけでなく、お客様も変化していることに、我々はもっと敏感にならなければなりません。そして、会社としても個人としても、今までの仕事のやり方を変えるといった、変革をしていかなければなりません。

このような認識に立ち、今年1年、社員の皆さん一人ひとりに、心構えとして、実行してほしいと考えていることは、次の3点です。

1.自ら変革していく強い「思い」を持つ
昨年と同じこと、昨日と同じことをやっているだけでは、持続的成長どころか縮退していくだけです。成長企業として発展していくためには、新しい分野、未知へ挑戦していくことが必要不可欠です。社員一人ひとりが現状を変えていく!という強い思いを持ち、周りを巻き込んでいってください。

2.個人個人も成長する
新しい領域や取り組みを実行に移し、成長企業として発展してくためには、社員一人ひとりの成長が必要不可欠です。上司は、部下育成を重要なミッションと認識して、部下をしっかりとサポートしてください。また社員の皆さん一人ひとりは、スキルアップに励み、「外を見て内を知り、現地現物で本質を見極める」ことを実践してください。

3.スピードアップ
新たに中期計画を遂行していくにあたって、社員一人ひとりが自立し、お客様をはじめとして、世の中、市場、競合他社等の日々の変化に、迅速に対応してください。

以上、私からの新年の挨拶とさせていただきます。