複数の報道によれば、米Googleは大手自動車メーカーの米Fordと共同で自動運転車開発のプロジェクトを推進していく計画だという。もし合意に至れば、来年2016年1月初旬に米ネバダ州ラスベガスで開催されるCES (Consumer Electronics Show)の期間中に発表される可能性がある。Googleはこれまで独自に自動運転車のプロジェクトを推進する一方で、複数の自動車メーカーらとの協業を模索していた。Fordはこの種の研究開発で同業他社に遅れを取っており、両社の思惑が一致した形での共同プロジェクトのようだ。
同件はReutersが報じている。もともとはAutomotive Newsなどが報じたもので、1月5日に、CESでFord CEOのMark Fields氏によるプレスカンファレンス開催が予定されており、ここでGoogleとのジョイントベンチャー設立に何らかの言及が行われるのではないかとみられている。Googleをはじめ、AppleやUber Technologiesなど、IT業界の企業らが続々と自動運転技術と同機能搭載車開発に向けて参入を進めているが、既存の自動車メーカーらはこの動きに警戒を見せているといわれており、共同プロジェクトの方法論を巡って多くの議論が存在していると考えられる。前述のように、この共同プロジェクトはFordによるライバルへの牽制と、パートナー探しを続けるGoogleとの思惑が一致した結果とみられ、両社の研究開発が加速することになるだろう。
Googleは今年6月に「Google Self-Driving Car Project」を本格スタートし、同本社のある米カリフォルニア州マウンテンビュー周辺と米テキサス州オースティンでの公道実験を行っている。カリフォルニア州ではこうした公道での実験にゴーサインを出す一方で、自動運転には必ずドライバーを乗車させてつねにコントロール権を与えるよう条件を付与しており、これに関してGoogleでは不満を抱いているという話もある。最終的にGoogleはプロジェクトが一定水準に達した段階で来年早々にも分社化を行い、親会社であるAlphabet参加の独立起業として将来の(配車サービスでの)サービスインを見込んだ事業家に移行していくとみられる。