米Qualcommは10日(現地時間)、モバイル向けの次期フラッグシップSoC「Snapdragon 820」を正式発表した。14nm FinFETプロセスで製造されるSoCで、カスタム設計となる64bitのKryo(クライヨ) CPUを搭載。また、プロセッサに「X12 LTE」モデムを統合している。
下りで最大600Mbpsの通信速度となるLTE Category 12、上りで最大150MbpsとなるCategory 13をサポートする、「X12 LTE」モデムを統合したモバイル端末向けフラッグシップSoC。「X10」モデム搭載のSnapdragon 810と比べ、理論上の通信速度は上り最大3倍、下り最大33%高速化しているとする。
CPUにはカスタムKryo CPUを搭載。動作周波数は最大2.2GHzで4コア構成となる。グラフィックスには、OpenGL ES 3.1+をサポートするAdreno 530 GPUを搭載。Snapdragon 810と比べCPU性能が約2倍に、Adreno 430と比べGPU性能が約40%向上した。
カメラは、最大28Mピクセルをサポート。ビデオは4Kの録画・再生が可能で、H.264(AVC)/H.265(HEVC)に対応する。DSPにはHexagon 680を採用し、通信や映像処理などを低消費電力で実行する。
このほか、Wi-FiはIEEE802.11adおよび11ac、Bluetoothは4.1、ストレージはUFS 2.0/eMMC 5.1/SD 3.0をサポート。IEEE802.11adは最大約7Gbpsの通信(理論値)が可能な無線LAN規格で、MU-MIMOを使わない場合のIEEE802.11acと比べ、約2~3倍高速になる。
メモリはデュアルチャネルのLPDDR4 1866MHzに対応。また、NFCやQualcommの急速充電技術Qualcomm Quick Charge 3.0などもサポートする。