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もし、V8 JavaScriptエンジンでObject.observe()を使っているのであれば注意が必要だ。3年以上も前に提案され、かつ、次期ES7に対しても提案されてきた同機能が正式な機能として策定される前に消えることが明らかになったのだ。GoogleのエンジニアであるAdam Klein氏が「An update on Object.observe」において、Object.observe()の標準化に関する提案の引き下げ、年内にV8 JavaScriptエンジンからの実装の削除を伝えている。

Object.observe()はもともと3年以上前にRafael Weinstein氏、Erik Arvidsson氏、Adam Klein氏らによって提案されたAPI。MDV(モデルドリブンビュー)のデータ・バインディング・システムの基本的な機能として設計されたもので、V8 JavaScriptエンジンに実装が取り込まれているほか、次期ES7での標準化を目指して策定作業が進められていた。

しかし、Klein氏は3年間が経過して状況が大きく変化したと説明。EmberやAngularといったほかのデータ・バインディング・フレームワークが台頭してきたことや、この状況の中でObject.observe()の必要性が薄れたことなどを指摘。結果、TC39への提案を取り下げるほか、年内中にV8 JavaScriptエンジンからサポートを廃止することを説明している。

なお、chromestatus.comの調査によれば、ChromeページビューのうちObject.observe()を使っている割合は0.0169%だと説明されている。