説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iCloudメールがプッシュされなくなりました!?」という質問に答えます。

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iCloudメール最大の利点は、メッセージがサーバに到着するやいなやiPhoneへプッシュ通知するしくみと、メッセージ到着を把握したiPhoneがメッセージ本文の(メールサーバからの)ダウンロードを開始するリアルタイム性にあります。これまで携帯電話メール(キャリアメール)の利点とされてきた機能をカバーしているため、キャリアの変更にあわせて使いはじめているiPhoneユーザも多いはずです。

プッシュ通知をサポートしないメールサービスの場合、15分や30分など、あらかじめ設定したタイミングでメッセージの到着をメールサーバに問い合わせることになります(フェッチ受信)。いわば定期的に手動メールチェックしているわけで、メッセージの到着を知るまで10分以上のタイムラグが発生することも珍しくありません。

この便利なiCloudメールのプッシュ通知ですが、ある操作を行うと一時的に無効化されます。それは、iOS 9でサポートされた「低電力モード」です。

低電力モードを有効にすると、iCloudメールを含むメールのプッシュ通知は無効化されます。フェッチ受信すら無効化されてしまうため、メールの到着を知るには「メール」アプリを起動して手動でメールチェック(多くのメールアプリは起動にあわせてメールチェックを行います)するしかありません。バッテリーのもちをよくするためにプッシュ通知の便利さが犠牲になった、といえばわかりやすいでしょうか。

なお、低電力モード時はプッシュ通知が利用できなくなるため、メッセージ本文をあらかじめ取得する「メール」の機能も無効化されます。「メール」を起動してiCloudメールの到着を知ったあと、メッセージ本文をダウンロードする処理が始まるため、その内容に目を通せるようになるには少々時間がかかります。

低電力モード時は、iCloudメールを含むメールのプッシュ通知機能が無効化されます