GUARDIANWALLの製品ラインアップ

キヤノンITソリューションズは10月15日、企業向け情報漏えい対策ソリューション「GUARDIANWALL」と「WEBGUARDIAN」の新バージョンを12月24日より提供すると発表した。

GUARDIANWALLはメールフィルタリングや誤送信対策、メール監査機能によって、メールからの情報漏えいを防ぐ。一方のWEBGUARDIANは、Webフィルタリング機能などを活用して業務外のWeb利用の抑制、SNSやWebメールからの外部送信情報の検査機能を提供している。

12月より提供される新バージョンでは、日本年金機構など、相次ぐ情報漏えいへの対策や、10月に配布が始まったマイナンバーの運用開始を念頭に、新機能を追加した。

GUARDIANWALL Ver8.1の新機能

  • マイナンバー検出

  • 人事情報連携

  • ジャーナルメールアーカイブ

  • ルールテスト機能

WEBGUARDIAN Ver4.1の新機能

  • マイナンバー検出

  • HTTPS通信検査

  • プライバシー情報保護

  • Kerberos認証対応

このうち、両製品に採用されている「マイナンバー検出機能」では、これまでのフィルタリングソフトのように任意の12桁の数字を検出するのではなく、チェックデジットを判定して、マイナンバーとして有効な情報のみを検出。通常の情報の送信を阻害することなく、マイナンバー情報を含む外部送信をブロックできるため「効率的な情報漏えいの出口対策が可能」としている。

価格は従来製品と変わらず、GUARDIANWALLのLinux版(フィルタリング、添付ファイルZIP暗号化、アーカイブ機能が利用できるセット版)で50ユーザー契約の場合、新規が50万1000円、更新時には25万500円。WEBGUARDIANのLinux版25ユーザー契約の場合で新規通常が15万円、新規乗換と更新版が7万5000円となる。

GUARDIANを「総合情報漏えい対策ソリューション」に

キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部 セキュリティソリューション営業部 部長 崎山 秀文氏

同日行われた記者会見では、キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部 セキュリティソリューション営業部 部長の崎山 秀文氏が今後の製品展開について説明した。

これまでのGUARDIANWALL、WEBGUARDIANシリーズは、メール、Webの情報漏えい対策として販売を行ってきたが、「昨今のセキュリティ状況から、それ以外にも対応していく必要がある」として、今回のマイナンバー検出をはじめとした多段階の対応が重要になっていくと崎山氏は強調する。

キヤノンITソリューションズは、スロバキアのESET製品をはじめとしたさまざまなセキュリティ製品を取り扱う総合ベンダーのため、顧客企業が製品単体を組み合わせていくよりも、総合ソリューションとして周辺機能までカバーできるメリットを強調する。例えば、Webのゲートウェイを守ってもUSBメモリなどの外部デバイスを使った他経路からの流出、フィルタリングでは防げなかった遠隔操作のマルウェア感染といった問題があっても、総合ソリューションで対策法をカバーできるといった具合だ。

ゲートウェイにとどまらずサーバーやクライアント保護といった物理的に異なる製品の保護、従来のアーカイブ・フィルタリングという保護だけでなく、認証基盤や暗号化といった機能の拡張、メールやWebにとどまっていた検査対象をファイルサーバーやスマートデバイスへ広げていく、そうした構想があるとした。

「製品そのものだけでなく、キヤノンITソリューションズとして培ったノウハウや技術を活かし、コンサルティングにも力を入れたい。特に情報漏えい対策などは人材育成が重要なので顧客企業の人材教育もサービスとして入れていきたい。それらをトータルパッケージとして、GUARDIANを『総合情報漏えい対策ソリューション』にしたい」(崎山氏)