笑顔も泣き顔も判別できるカメラ

続いてはオムロンブースを紹介しよう。卓球ロボットが目を引く裏で、意外と人気を集めていたのがネットワークカメラ「家族目線」だ。29,800円(税込)で9月11日から販売されている。

【左】リビングや子ども部屋など屋内を見守り、スマートフォンへプッシュ通知で状況を知らせる。【右】CEATECでのディスプレイ用に用意されたキャラクター化グッズ。商品化の予定はなかったが、来場客から思いのほか好評で今後の展開を迷っているという。安定感が足りないため、単純に商品化はできないらしい

家族目線はリビングや子ども部屋、玄関など屋内に設置し、Wi-Fiでインターネットへ接続して使う。無料の専用アプリ(Android、iOS向け)からカメラの映像を確認できる。SDKも公開しており、デベロッパーがアプリを自由に開発できるようにしているのも特徴だ。

高速顔認識技術をはじめ、ペット検出、動体検出、音声検出、年齢推定など、13もの検出・推定機能を備えており、笑っているとか怒っている、泣いているなどの表情まで判別できる。たとえばベビーベッドの赤ちゃんを見守る場合、赤ちゃんが笑顔の映像だけ記録に残したり、赤ちゃんがぐずったときにお母さんのスマートフォンへ通知したり、といったことが可能だ。本体にはマイクとスピーカーも備わっており、帰宅した子どもを検知してスマートフォンに通知するよう設定しておけば、留守中でも「おかえり」と呼びかけられる。

ロボット型デバイスも登場

ユカイ工学のロボット型コミュニケーションツール「BOCCO(ボッコ)」。インターネット経由でスマートフォンと音声メッセージのやり取りが可能だ

センサーが組み込まれたデバイスをより親しみやすいキャラクターにすることで、家族間のスムーズな連絡に役立てようというのが、ユカイ工学のロボット型コミュニケーションデバイス「BOCCO」だ。29,000円(税別)で赤い積み木型のドアセンサーが標準で付属するほか、無料で専用アプリを提供する。

短い脚ととぼけた表情が愛らしいBOCCOは、本体にインターネット接続用のWi-Fiチップと、各種センサーと通信するための近接無線機能を内蔵している。BOCCO一体につき8個までのセンサーと連動でき、先述のドアセンサー(赤)のほか、オプションとして温度センサー、人感センサー、鍵の開閉感知センサーなどを準備中だ。

ボディにはボタンが2つ設けられており、三角のボタンで録音した音声メッセージを再生、丸ボタンで音声メッセージを録音できる。ドアセンサーをドアに付けておけば、子どもが帰宅した時に、BOCCO経由で両親のスマートフォンに通知が送られ、親はその通知を確認して「おかえり。テーブルにおやつがあるよ」といったメッセージを録音できる。子どもは落ち着いたところでその録音を聞くという仕組みだ。

【左】BOCCOに付属する積み木型の開閉センサー。玄関や冷蔵庫のドアに取り付けておくことで、子どもの帰宅などを察知し、スマートフォンに伝える。【右】自宅で起きたアクションがスマートフォンで確認できるため、適宜メッセージを吹き込んでコミュニケーションを取れる

筆者は「素直に電話するのではダメなのか」と思ってしまったが、携帯電話を子どもに持たせたくないと考える家庭も多いし、家に固定電話がない家庭も増えている。そう考えると、操作ボタンが2つしかないシンプルなロボット型インタフェースは、子どもでも安全に扱えて便利そうだ。

Linuxを搭載しており、機能拡張も可能な仕様になっている。多機能リモコンなどと連動させることで、スマートフォン経由でおじいちゃん家のエアコンをオンにする、といった使い方も可能になるという。