種田氏の言葉から、instax mini 70は国内のみならず、海外での展開も広く視野に入れていることがわかる。実際、チェキはアジア圏でのヒットが呼び水となり、それがカナダ経由でアメリカに伝播、品切れが続くほどのヒット商品となっているという。富士フイルム 取締役執行役員 イメージング事業部長 宮﨑剛氏は語る。

宮﨑氏「チェキはドラマの劇中で使われたことで話題となり、中国・韓国・東南アジアを中心にシェアを伸ばしてきました。が、昨年度から急に欧州で売れ始めました。今年度第一クォーターの販売実績はさらに高まっていて、アメリカの対前年比は約3倍。現在は中国での数字(売上)を抜いている。そして、この動きはヨーロッパにも飛び火している状況です」

【左】富士フイルム 取締役執行役員 イメージング事業部長 宮﨑剛氏。【右】欧米での販売構成比が高まっている

宮﨑氏によれば、ワールドワイドで通常のプリントが減少の一途を辿る中、チェキやフォトブックなど新しい付加価値商材の導入やプロモーション、新スタイルの直営店展開などにより、2011年度以降はイメージング事業の業績は回復傾向にあるという。

【左】ワールドワイドで通常プリントが落ち込む中、チェキやフォトブックなど付加価値商材の需要は増えている。【右】近年の富士フイルムが提供している商品サービス

【左】原宿にオープンしたお洒落雑貨屋風の直営店が人気に。【右】新直営店のコンセプトに共感した写真コーナーが続々誕生中

【左】その波は国外へも波及している。【右】イメージング事業は2011年から復調している

宮﨑氏「チェキの好調な販売は(業績)復調の原動力です。チェキの販売台数は今年度460万台を目標に掲げていましたが、この好調な伸びとinstax mini 70発売の勢いを背景に500万台へと上方修正、カメラ・フイルムの生産設備増強を目指します」

2015年の販売台数を500万台に上方修正するほどの勢い

この販売戦略を強力にバックアップするのがセールスプロモーションだ。富士フイルムでは、instax mini 70の発売日である10/23日からWebメディア「Cheki Press」(チェキプレス)をスタート。若い男女が興味を持つ「ライフスタイル」「トラベル」「パーティー」「ファッション」という4つのジャンルでチェキと写真の楽しみ方を提案、ユーザー参加型のイベントなども企画しているという。

発売から2日後の10月25日には、東京都港区で開催されるイベント「六本木ハロウィン」に協賛、発売イベントを実施する。仮装した来場者をチェキで撮影したチェキプリントを使い、ひとつのアートを完成させる企画が予定されている。

【左】発売日(9/23)からWebメディアで「Cheki Press」をスタートする。【右】Cheki Pressは、4つのカテゴリーでユーザーのチェキライフを盛り上げていくという

六本木ハロウィンに協賛、発売イベントを実施予定