ネットアップは9月24日、エヌ・ティ・ティネオメイト(NTTネオメイト)が提供するOAサービスをはじめとした複数のサービスを支える統合ストレージ基盤にNetApp FASシステムを採用したと発表した。

NTTネオメイトは、2015年4月から新たなストレージ環境で運用を開始しており、メインストレージとしてアクティブ・アクティブ構成のNetApp FAS8060Aを2セットとアクティブ・アクティブ構成のNetApp FAS3250を1セットの合計6ノード、バックアップストレージにはアクティブ・アクティブ構成のNetApp FAS6240を採用している。

また、ネットアップの高速キャッシュソリューションである「Flash Pool」の導入により、リード/ライト性能を高速化することでストレージシステムのパフォーマンスを強化。加えて、各種サービスに対するデータバックアップなどには従来のストレージ環境と同様にネットアップのデータ保護機能(Snapshot/SnapMirror)を活用し、メインストレージに深刻な障害が発生した場合でも迅速なサービス復旧体制を構築した。

さらに、日本では初めての事例となるOnCommand Workflow Automation(WFA)を活用した旧ストレージ環境から新ストレージ環境への移行プロセスの自動化により、ユーザへの影響を抑えたスムーズなデータ移行を実現したという。

NetApp FASシステムの導入により、従来は12ラックを使用していたストレージ用ラックの設置スペースが3ラックを削減したことで電力や設置スペースなどのコストを削減し、複数セットのNetAppストレージで構成されるストレージクラスタに移行したことにより余裕のあるストレージ性能を実現。そのほか、ストレージ負荷増大によるサービス停止への対応業務が不要になり、IT管理者の負担が軽減された。

旧ストレージ環境から新ストレージ環境への移行イメージ

NTTネオメイトは、これまでもNetAppストレージを採用していたが個別のサービスごとにストレージシステムを割り当てていたため、ストレージリソースの利用効率の低下やストレージ搭載ラックの設置スペースの増大などの課題を抱えていた。また、OAサービスでは利用ユーザの拡大に伴うストレージ負荷の増大などの課題もあった。

同社では、一連の課題を解決する統合ストレージシステムの要件として8万5,000人が利用するメール環境(Microsoft Exchange)の負荷に耐えられる拡張性、パフォーマンスに優れたストレージシステムと多くの作業工数を要するストレージを起因としたサービス停止の対応業務の解消、同システムのサイロ化によって大きく低下していたストレージリソースの利用効率の向上を求めていた。

同社は、これらの課題を解決する統合ストレージシステムとして複数サービスを支えることが可能な拡張性、大規模システムのストレージ統合に対応できる柔軟性、これまでに導入してきたNetAppストレージの実績などを評価し、clustered Data ONTAPを搭載したNetApp FASシステムを採用した。