世界最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2015」が9月17日に開幕した。ヘッドマウントディスプレイ「Oculus」を展開するOculus VR(Oculus)のブースでは、2016年Q1発売の製品版とみられる「Oculus Rift」が展示され、来場者がデモンストレーションを体験できた。

初日があいにくの雨となった東京ゲームショウ2015。過去最多となる37カ国・地域から480企業・団体が出展し、会場内も盛況な印象だ。9月17日・18日がビジネスデイ、19日・20日が一般公開日となる。開場時間はいずれも17時まで

Oculus Rift

Oculusのブース。来場者多数のため整理券式の案内になったが、当日分の整理券は午前中でなくなってしまい、キャンセル待ちの列ができていた

多くの来場者が列をなしていたOculusの体験デモは、個室ブースで行われる。そこで椅子に座り、簡単な操作説明を係員から受けた後、Oculusを装着。7~8個ほどあるOculus Rift用のゲームをユーザーがで選び約4分程度試遊できた。実際の商品にはXbox Oneのワイヤレスコントローラーが付属する予定で、体験デモでもXbox Oneのコントローラーでプレイした。専用コントローラーは発売が遅れる見込みという。

使用したOculusは2015年6月に開発が発表された「Oculus Rift」製品版とみられ、ブースでもプロモーション映像が表示されていた。ヘッドセットの解像度は1,080×1,200ドットの有機ELパネル×2、リフレッシュレートは90Hz。トラッキングはジャイロ、加速度、地磁気、マイク/ヘッドホンなど。価格などは未定という。

推奨動作環境はIntel Core i5-4590またはこれ以上、GPU性能はNVIDIA Geforce GTX 970以上またはAMD Radeon R9 290以上。メモリが8GB、OSがWindows 7 SP1以降、USB 3.0ポート×2、HDMIポートなど。なお、今回ブース内に置かれた全8台のデモでは、未発売となるマウスコンピューター製の小型ゲーミングPC「LITTLEGEAR」が採用されているとのこと(残念ながら非公開)。

Oculus体験ブースでは、試遊者ごとに個室に案内され、椅子に座ってOculusを試すことができる。ユーザーが見ている映像はモニタに映し出される仕組み

ディスプレイ横にはユーザーの顔の向きを検知するトラッキングセンサー

Oculus Rift。見た目は重そうだが装着してみると意外と軽い

小型のヘッドホンが搭載されている

試遊で使ったXbox Oneコントローラー

今回試したゲームは「コロプラ」の新作VR用ゲーム「Fly to KUMA」。「コロプラ」イメージキャラクターとなるピンクの熊を、VRのパズルをかいくぐって安全な場所へ誘導するパズルゲームだ。視線遷移の精度は高く、周囲を見渡すと本当にVRの世界にいるような感覚。VR映像の中で前に進むと、座っている椅子は動いていないにも関わらず、まるで椅子ごと前に進んでいるように感じられた。コントローラーのアクションはごくわずかに遅延を感じたが、操作には問題ないレベルだった。Oculus Riftはショーケースでも展示されいてる

Gear VR

Gear VR

Oculusブースでは、Samsung Electronics製の「Gear VR」の体験デモも展示していた。使用製品は、同社製スマートフォン「Galaxy S6」や「Galaxy S6 edge」を装着して使うモデル「Gear VR Innovator Edition for S6」。2015年4月に国内発表したモデルで、Oculusとの共同開発となる。

いずれもパネルは解像度2,560×1,440ドットの有機EL。搭載センサーは加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ。Gear VR用のアプリを起動させ、ゲームや映像コンテンツを視野角96度のVRで楽しめるものだ。

Gear VRは、Oculus Riftとともにショーケースに展示されていた

Gear VR

Gear VRは側面のパッドに触れて操作する

上面には焦点調節のつまみを用意

Galaxy S6やGalaxy S6 edgeを装着し、専用アプリを起動して遊ぶ

VR展示ブースは他にもある!

ソニー・コンピュータエンタテインメントのブースでは、かねてより開発・試作機が発表されていたVRシステム「PlayStation VR」を大々的に展示。15日に正式名称が発表された同機には、試遊を待つ来場者が長蛇の列を成していた。

「PlayStation VR」は大規模な専用コーナーを設けて展開。しかしというか、当然ながら2~3時間待ち(17日時点)という高い注目度。試したい方はなるべく早い時間に向かったほうが良いだろう

南海ソフトのブース

南海ソフトのブースでは、Oculus Riftとモーショントラッカー「Leapmotion」を組み合わせ、競技かるたゲーム「Miyabi VR」の試遊デモンストレーションを展示。体感型の坐禅ゲーム「Zazen」の紹介も行われていた。

「Leapmotion」をOculus Rift上に装着し、実際に動かした手を検知してバーチャルな競技かるたをプレイできる。こちらは大きなブースではないが、通る人が立ち止まって試遊の様子を見るなど、広く注目されていた