Appleの音楽イベント「Apple Music Festival」の開催が近付いている。Appleは、これまで8年間ロンドンで「iTunes Festival」の名称で音楽フェスティバルを開催していたが、今年はApple Musicのスタートを祝して、同イベントの呼称を「Apple Music Festival」と改めた。
ロンドンのライブハウスThe Roundhouseにおいて現地時間の9月19日から28日までの10夜連続でパフォーマンスが披露され、ファレル・ウィリアムズ、ケミカル・ブラザーズ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、ワン・ダイレクションらの出演が決定している。
ファレル・ウィリアムズ(現地時間9月26日出演) |
ワン・ダイレクション(現地時間9月22日出演) |
フローレンス・アンド・ザ・マシーンのVo.フローレンス・ウェルチ(現地時間9月28日出演) |
ケミカル・ブラザーズ(現地時間9月24日出演) |
ーーマイナビニュースでは、iTunes InternationalのバイスプレジデントであるOliver Schusser氏から、今回のイベントについて話を伺うことができた。「Apple Music Festival」に寄せる氏の想いはどんなものなのだろう?
Oliver まずはフェスティバルをまたロンドンで開催できることを嬉しく思っています。「iTunes Festival」の時代から数えると9年目への突入ですね。「Apple Music Festival」と名称が変わったということで、今年はもっと大きく、もっと良いものにしていきたいと考えています。英国各地からファンが集まってくるだけでなく、世界中のファンが、iPhone/iPad/iPod touchおよび、Mac/PCのApple Music、もしくはApple TVを使って「Beats 1」からオンデマンドで楽しむことができるんです。しかもそれが無料で。ニュースのアップデートもApple Musicを通じて行われます。現場でのサウンドや照明などの演出はもちろんですけど、ストリーミングに関してもかなりの時間とエネルギーを費やしています。この体験をフルHDと出来るだけ高いビットレートでのオーディオで味わっていただきたく。
ーー10日間の各ヘッドライナーも豪華なメンツだ。「Apple Music Festival」として第一回目となる今回は、どんなラインナップになっているのだろう。
Oliver ファレル・ウィリアムズ、ケミカル・ブラザーズ、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、ワン・ダイレクション、そしてWWDC 15の基調講演でスペシャルゲストとして登場したカナダ出身のザ・ウィークエンドもパフォーマンスを披露します。ジェームズ・ベイやレオン・ブリッジズ、NAOといった新しい才能も紹介していきますよ。とてもエキサイティングなショウになると期待してます。
ーーでは、これまでの「iTunes Festival」とは何が変わったのだろう?
Oliver 名前もブランドも変わったわけですけど、それだけでなく、特別なものにしていきますよ。「Beats 1」とSNS機能である「Connect」をフルに使っていき、バックステージのニュースやアーティストから直接届けられる映像などをお届けします。ショウが終わったあともいろいろと楽しめる仕掛けを作っていくつもりです。「Beats 1」では生のインタビューも予定してます。フェスティバル全体を完全に楽しめるような工夫をしていますね。
ーーその上で、このフェスティバルは参加するミュージシャンにとってどう評価されているのだろうか?
Oliver 音楽家にとってのプロモーションプランの中に確実に組み込まれるような存在になっていると言えます。毎年開催されていることもあるので、音楽産業において主要な位置を占めているはずです。沢山の音楽家に参加してもらっていて、パフォーマンスのその日に新作が発売されるということも珍しくはありません。例えば9月25日出演(現時時間)のディスクロージャーは、同日にアルバムをリリースします。ショウを通じてニューアルバムのプロモーションをするという形ですよね。フローレンス・アンド・ザ・マシーンとファレル・ウィリアムズ(N*E*R*D)はこれで3回目の出演となるのですが、彼らのようなビッグネームにも何度も出たいと思ってもらえるフェスティバルに成長しています。
ーー昨年までは「iTunes Festival」用のiOSアプリが配布されていたが、今年は「iTunes」と「ミュージック」アプリに集約してコンテンツを届けるという。これについては。
Oliver 今回から別なアプリは提供しません。基本的に全てのコンテンツに「iTunes」と「ミュージック」アプリからアクセスできるので、他のアプリは必要なくなります。
ーー中でも「Beats 1」と「Connect」が大きな役目を果たすと言う。
Oliver 「Beats 1」はLA、NY、ロンドンにスタジオを構えていますが、今回は会場のThe Roundhouseとを結びます。先ほどもお伝えしたとおり、生のインタビューも予定してますが、とてもワクワクしてますね。「Connect」ではイベントがアップデートされるほか、視聴者からの投稿も受け付けます。ショウの前も後もアップデートが続くので、すごく「ライブ感」があると思いますよ。ファンとアーティストをまさに「繋ぐ」役割を担うんです。
ーー実はこの取材にOliver氏が応じてくれた日、「Google Play Music」の提供が始まった。キャンペーン期間を設定していて、その間に加入すると「Apple Music」よりも月額は安くなる。しかし、個人的にはこの手の音楽サービスが価格競争に入るのは間違っていると考えている。運営サイドの収益を減らせないのであれば、ミュージシャンへのロイヤリティを減らす以外に良い手立てはあるのだろうか? それよりもサービスの内容で勝負すべきではないだろうか?
Oliver これは公式な声明を出していますが、ユーザーがトライアル期間にあったとしても「Apple Music」は全てのミュージシャンに分配を行います。我々にとってはプロダクトが何よりも重要で、それは質の高いものでなくてはならなく、市場で最も愛されるものを提供したいと考えています。
ーーその質の高いプロダクトであることを自負し提供されてきた「iTunes」は、日本でのサービスインから今年で10年を迎えた。まさしく人々に長く愛されているプロダクトだ。
Oliver 8月4日に日本での10周年を迎えました。これは非常に誇りに思っています。日本は我々にとって本当に重要なマーケットであると認識しています。ローカライズも上手くいきましたし、エディターも素晴らしい仕事をしてくれています。10周年を迎えるタイミングで「Apple Music」を展開するという流れになったのですね。ご存知かと思いますが、日本でのiPhone人気はかなりのものですよね? iPhoneで楽しめるあらゆるポテンシャルを持っているのが「Apple Music」なのです。
ーー過去、「iTunes Festival」は、テキサス州オースティンでSXSW 2014の期間中開催されたこともあったし、ドイツのベルリンで「iTunes Live: Berlin Festival」が行われたこともある。日本での開催も、待望、というところではあるが、まずは生まれ変わった「Apple Music Festival」に参加してみようではないか。Oliver氏の言葉を繰り替えすが、全てのパフォーマンスをiPhone/iPad/iPod touch、Mac/PCのApple Music、もしくはApple TVを使って「無料」で楽しむことができるのだ。詳細は詳細はapplemusicfestival.comかapplemusic.com/festivalをチェックして欲しい。