デジタル一眼カメラを買ったばかりのときは、難しいカメラ用語にとまどいがちなもの。「今こそ知りたいデジタル一眼の基本」では、タイトル通りにカメラに関わる基本的なことをやさしく紹介していきます。今回のテーマは、「ホワイトバランス」です。

デジタル一眼カメラで写真を撮っていると、「料理を撮ったのに、全然美味しそうに見えない写真になった」「真っ赤に染まった夕焼けを写したのに、思っていた色と違ってガッカリした」といった経験をしたことがあるでしょう。

ホワイトバランスをオート設定で撮影したのが左の写真。若干黄色がかった色合いになっています。そこで、白熱電球に近い光源だったので、ホワイトバランスを白熱電球に変更したのが右の写真です
使用機材:キヤノン EOS 7D、キヤノン EF-S17-55mm F2.8 IS USM

人間の目はいろいろな状況でも「白いものは白く」といったように一定の色合いで見ることができます。これがカメラの場合は異なり、光源が変わると撮影される写真の色合いも変わってくるのです。それを人間の目で見たような色合いに調整するのが「ホワイトバランス」です。

最近のデジタル一眼カメラは極めて優秀なので、オート設定のままでも十分キレイな写真が撮れますが、ごくたまにそのシーンの光源に適していないホワイトバランスが選ばれ、アレっ? といった写真になってしまうのです。その時は自身でカメラのホワイトバランスを設定すれば、自然な色合いのキレイな写真が撮れます。カメラのメニュー項目では「晴天」「曇天」「蛍光灯」「電球」といったようにわかりやすい言葉で表示されているので迷うこともないかと思います。

日没時の海と空を写したものです。オートだと少し物足りないので、ホワイトバランスを日陰にしてみました。赤が強調されて、港に帰ってくる漁船と合わせ、情景豊かな写真になりました
使用機材:キヤノン EOS 7D、シグマ 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM

また、太陽をはじめ、電球や蛍光灯は光を照らす光源なのですが、それぞれに「色温度」というものがあり、同じ光でありながら映し出されるものは色味が異なります。色温度は昼間の太陽光を基準とした場合、数値が低くなると赤っぽく、数値が高くなると青っぽくなります。

この仕組みを理解できると、「もう少し暖かめな色がいい」「ここはクールな青みがほしい」と思った場合でもホワイトバランスを変えることで、自分がイメージしている色に近づけることができます。

ちなみに、デジタル一眼カメラではJPEG以外に「RAW」形式で写真を保存できます。このRAW形式の写真データは、パソコンで現像ソフトを使って自在にホワイトバランスを変更することが可能です。興味がある方はチャレンジしてみてください。

EOS 7Dのホワイトバランスの設定画面です。キヤノンの場合は晴天は「太陽光」と表示されており、その下に色温度(ケルビン値)が記されています

ホワイトバランスを変えながらウェディングケーキを撮影してみました。左上から右に向かって順に、オート、太陽光、曇り、日陰、白色蛍光灯、白熱電球にホワイトバランスを設定したものです。白熱電球に近い光源だったので、オートもそれに近いホワイトバランスが選ばれています

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