エプソンは1日、インクジェットプリンタ/複合機「Colorio(カラリオ)」シリーズの2015年秋モデルとして、プリント・コピー・スキャナ機能を持つA3対応フラッグシップ複合機「EP-10VA」を発表した。10月22日の発売予定で、価格はオープン、店頭予想価格は40,000円台中盤の見込み。
EP-10VAが想定するのは、「写真こだわりユーザー」と「作品作りの経験がないハイアマユーザー」だ。カラリオシリーズからのステップアップや、プロ写真家も愛用する「プロセレクション」シリーズにはハードルが高い、といったユーザーを想定している。
こうしたコンセプト的に、プロセレクションシリーズの技術を多くフィードバックした点が目を引く。まずインクとして染料「Epson Clear Chrome K2 INK」を採用し、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の基本4色に加えて、レッドとグレーという全6色で構成される。各色独立のインクカートリッジだ。
グレーインクによってニュートラルグレーを表現するとともに色調を整え、モノクロ印刷においてもグレースケールの階調性と色の精度を向上。レッドインクで赤系の色再現性を高めつつ、黄色から緑の領域でも色の再現範囲を拡大している。最大プリント解像度は5,760×1,440dpiだ。
機能面でも、「作品作り」を意識した要素を多く盛り込んでいる。色再現性を生かした「高彩モード」や、デジタルカメラで撮った写真を保存したメモリーカードとEP-10VAだけで、自分好みの作品を出力できるサムネイル一覧調整などだ。後者は、明るさ・コントラスト・色調などを変化させたサムネイル一覧を印刷して、好みの1コマを選び、余白や余黒を付けて仕上げ印刷する。
給紙は3カ所の3Way給紙で、フロント下段トレイにはA4普通紙を最大100枚(ハガキ最大40枚)、フロント上段トレイにはハガキを最大20枚まで給紙しておける。リアトレイはA3サイズまで対応し、A3写真用紙を5枚まで、A3普通紙なら10枚まで給紙可能だ。自動両面印刷とCD/DVD/BDレーベル印刷にも標準で対応している。印刷スピードの目安はA3写真(光沢)で約2分23秒、印刷コストの目安はL判写真(光沢)で約19.9円だ。
イメージセンサーは光学4,800dpiのCIS、対応原稿サイズはA4。インタフェースとしては、USB 2.0、外部機器接続用USBポート、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、IrDA(赤外線)を搭載する。本体サイズは使用時がW479×D743×H453mm、トレイなど収納時がW479×D395×H168mm、重量は約9.5kg(インクカートリッジとACアダプタを含まず)。