強化された手ブレ補正とファインダー性能

機能面での一番の進化ポイントは、前モデルでは3軸対応だった手ブレ補正が上位モデルと同じく5軸に対応したこと。5軸とは、一般的な2軸(X軸、Y軸)の角度ブレ補正に、マクロ撮影で生じやすいXY軸のシフトブレ補正と、長秒撮影時で目立ちやすいZ軸の回転ブレ補正を加えたもの。オリンパスのミラーレス機では、OM-Dシリーズ上位機の「OM-D E-M1」「OM-D E-M5」「OM-D E-M5 Mark II」が採用している。

公称の補正効果はシャッター速度4段分。上位機に当たるE-M5 Mark IIのシャッター速度5段分には及ばないものの、エントリーモデルで5軸対応の手ブレ補正を搭載したのは世界で初めてとのことだ(オリンパス調べ)。

試用してみると、キット付属の標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」のテレ端を使った場合、シャッター速度1/8秒で約8割、シャッター速度1/4秒で約5割のカットをぶらさずに撮影できた。暗所で役立つ、実用十分な効果があるといっていい。

【左】装着する全レンズで作動するセンサーシフト式の手ブレ補正を内蔵。シャッターボタンの半押しで、ファインダー像を安定させることも可能だ。【右】手ブレ補正の設定画面。動画の手ブレ補正については、5軸補正と電子補正を組み合わせたモード1と、5軸補正のみのモード2が選べる

もう一つの大きな進化は、電子ビューファインダー(EVF)が前モデルの約144万ドット液晶から、約236万ドットのOLEDに変更されたこと。ドット数の高精細化に加えて、表示倍率も約1.15倍から約1.23倍に拡大。広くて見やすい表示を実感できた。

また、ファインダー撮影時の使い勝手を高める新機能として「AFターゲットパッド」を搭載した。これは、ファインダーをのぞきながら液晶モニター上を指でなぞり、AF測距点を自由に動かす機能だ。

ファインダーの表示スタイルを3種類から選べることや、2軸の水準器を表示できること、液晶モニターのチルト中はアイセンサーによる自動切り替えをキャンセルできるといった便利な点を前モデルから受け継いでいる。

【左】精細感と倍率が向上した電子ビューファインダー。アイカップは従来よりも薄型のものが付属する。【右】AFターゲットパッドの設定画面。タッチパネルを利用して、AF測距点を直感的に選択できる機能だ

3型のチルト可動式液晶を搭載。上に約85度、下に約45度まで可動し、ローポジションやハイポジションでの撮影時に役立つ