ソフトバンクモバイルが19日に開催した戦略発表会では、日本IBMの学習解析エンジン「IBM Watson」との日本展開について言及された。このWatson、スマートフォンと組み合わせることで、スマートフォンのサービスを劇的に変化させる可能性を秘めている。Watsonとは何か、ソフトバンクと日本IBMは日本で何を実現しようとしてるのか。
そもそも「Watson」ってなんだろう?
「ワトソン(Watson)」と聞いて「シャーロック・ホームズ」を連想するのはシャーロキアンだが、今回の「IBM Watson」はIBMこと「International Business Machines」を1911年に創業した実業家のThomas J. Watson氏の名をもじったものだ。当初は開発コード名として呼ばれていたものが、そのまま製品名として正式リリースされたという経緯がある。
このWatsonが初めてIBMによって紹介されたのは2009年4月で、コンピュータ学習による「Q&A」の受け答えがどの程度可能なのかを試すべく過去2年ほど同社の研究者が開発を続けていたプロジェクトであり、NBC系列の人気クイズ番組「Jeopardy!」(Wikipediaの参考記事)で実際に「人間 vs. コンピュータ」の対戦を行うことが予告されていた。この対戦模様は実際に2011年2月のオンエアで放映され、2人の人間の挑戦者に勝利し、その賞金は2つのチャリティに分割贈与されることが報告されている。これが事実上のWatsonの全世界公式デビューと相成った。