EX-100なら鳥が飛び立つ瞬間もばっちり

このEX-100デジスコセットの仕掛け人ともいえるのが、デジスコ専門サイト「デジスコドットコム」を運営する石丸喜晴氏だ。自身も野鳥撮影をライフワークとしている石丸氏に、EX-100を使って実演をしてもらいつつ、EX-100デジスコセットで野鳥を撮ってみた感想などを聞いてきた。

野鳥撮影のイロハを教えてくれた石丸氏

―― EX-100を使ってみていかがでしたか?

初めてEX-100を知った時は、コンデジにしては価格が高いと思いました。でも実際に撮影した写真を見てみると、適度なシャープネスでコントラストもはっきりしていて、高い解像感の写真が撮れたんですよ。レンズも贅沢なつくりだし、価格相応の性能を持っていると感じました。

単体でももちろんいいカメラなんですが、EX-100デジスコセットにも適したカメラなんです。まずは1/1.7型というセンサーサイズが、実はデジスコシステム的にも大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいんですよ。

像として見えているものを写すだけだから、望遠端の4,200mmでもキレイに写せます。最近よくある高倍率コンデジだと、三脚を使っても良い写真を撮りにくかったりしますが(※)、このシステムならその倍以上の焦点距離でもブレずに写せます。こんなに明るくキレイに撮影できて、EX-100は野鳥撮影に適したスーパーモンスターだと言ってもいいと思いますよ。

(※編注)
高倍率コンデジの多くは、望遠端で開放F値が大きくなる。よって、シャッタースピードが落ちてブレやすくなったり、ISO感度が上がってノイズが出やすくなったりする。

―― EX-100で気に入っている機能や野鳥撮影にオススメな機能があれば教えてください。

パスト連写機能のおかげで鳥が飛び立つ瞬間をしっかりと押さえられるのがいいですね。例えば、カワセミが枝から飛び立つ瞬間に「あ、飛び出したぞ、写せ!」だと、一眼レフでは遅いんです。でもEX-100のパスト連写機能を使うと、シャッターを押す前の写真も撮っているので、飛び立つ瞬間がラクに撮れてしまうんですよ。

あと、最大1,000fpsの「ハイスピードムービー」機能を使うと、羽の動きをスローモーションで見ることができます。”HS30-240”や”HS30-120”を選んで、巣にいるところをノーマルスピードで、羽ばたいて飛んでいくところをハイスピードムービーに切り替えて撮るとおもしろい映像になりますよね。

―― 一眼レフで野鳥撮影する時とEX-100デジスコセットで撮影する時で、ちがいは感じましたか?

僕の作風としてはEX-100などを使用したデジスコの方が良く写るので、一眼レフシステムの出番は少なくなっていき、最近大きなレンズのシステムは売ってしまいました。

一眼レフの交換レンズだとせいぜい800mm、テレコンを付けて1,000mmが限界ですよね。しかも大砲みたいなレンズを持ち歩くのは重いし疲れてしまいます。守備範囲の広いEX-100デジスコセットを持っていれば、もういいじゃないですか。約900~4,200mmという焦点距離を持っていれば、一眼レフみたいな画角でも撮影できるし、ドアップも撮れる。同じ場所から構図を変えて何枚も撮れる。画質にも十分満足しているので、重たい一眼レフはもう自分には必要ないと感じました。

石丸氏による野鳥撮影講座。これまで野鳥撮影には縁がなかった筆者にもわかりやすくコツなどを教えてくれた

―― どんな人にこのEX-100デジスコセットを買ってほしいですか?

いつも撮っている野鳥写真を「小さいなぁ~」と感じる人にはぜひ使ってほしいですね。わりと簡単に大きく、鮮明に写せちゃうので、いつのまにか野鳥のバストアップばかり撮るようになります。すっかりドアップにはまって「超望遠フリーク」のできあがりです。

―― "超望遠フリーク"予備軍のみなさんに、一言お願いします!

一眼レフでそれなりに機材を揃えると150万円~200万円くらいかかりますが、EX-100デジスコセットだと40万円~50万円と、超望遠システムとしては安く手に入ります。何を揃えればいいのかわからないという人でも、届いた日からすぐに撮影できるようにセットになっているのも導入しやすいと思います。

EX-100デジスコセットを使うと、こんなドアップが手軽に撮れてしまう!

石丸氏によれば、4月から6月は野鳥撮影に最高の季節。春の渡りで、色鮮やかな夏鳥がやってくるそうだ。EX-100デジスコセットを手に入れたのを機に、"超望遠フリーク"になってみるのも楽しいかもしれない。