カナダBlackBerryは14日、ドイツ・ハノーバーで開催されている「CeBIT 2015」で、セキュリティを特徴とするタブレット「SecuTABLET」を発表した。Samsung、IBMとの共同開発となり、セキュリティニーズの高い政府機関や企業市場を狙う。
SecuTABLETはSamsungのAndroidベースのタブレット「Samsung Galaxy Tab S 10.5」をベースに、同社が2014年末に買収したドイツSecuSmartのセキュリティ技術を統合する。IBMは安全性を強化するアプリラッピング技術を提供し、業務用とプライベートを分けて利用できるという。IBMはまた、政府機関のさまざまなクライアントのインフラにSecuSmartのセキュリティソリューションを実装するのを支援するという。
SecuSUITEはBlackBerry 10向けに音声通話、テキストメッセージ、電子メール、カレンダーを含むPIMデータを安全に利用できるセキュリティ機能セット「SecuSUITE for BlackBerry 10」を提供しており、SecuTABLETはこれを補完すると位置付けている。 BlackBerryは現時点でSecuTABLETのOSをはじめ詳細な技術、価格、発売時期などの情報は明らかにしていない。BlackBerryは2010年、自社QNXベースのタブレット「BlackBerry PlayBook」を発表しているが、同タブレットは業績悪化などを受け、その後販売終了している。
同社によるとSecuTABLETは現在、ドイツ連邦政府の情報技術セキュリティ庁(BSI)が定める公務利用向けのセキュリティ認定「VS-NfD」を受けているところだという。ドイツ政府は2013年6月にEdward Snowden氏により明らかになった米政府(NSA:国家安全保障局)の監視プログラムに非難の声を投げかけていた。
なお、モバイルの安全性や業務向けモバイルソリューションはこのところのトレンドであり、3月はじめの「Mobile World Congress」ではPGP暗号技術を開発したPhil Zimmermann氏らが参加する企業Silent Circleが、セキュリティに特化したAndroidベースのタブレット「Blackphone +」を発表している。