米NVIDIAは3日(現地時間)、米国・サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference 2015」(GDC2015)で、Android TV端末「SHIELD」を発表した。本体価格は199ドルで、米国とカナダでは5月、それ以外の国では2015年後半の発売を予定するが、日本国内での販売については現在のところ決まっていないという。

SHIELD。これまでの「SHIELD」ブランド製品のように「SHIELD○○」という製品はついていない

「SHIELD」は、次期モバイルSoC(System on Chip)「Tegra X1」を搭載。「Crysis 3」や「Doom 3: BFG Edition」「Borderlands」などの大型タイトルを含む50以上のゲームが「SHIELD」向けに最適化されリリースされるほか、Android向けゲームのプレイも可能。

Tegra X1。CPUコアには64bit ARMアーキテクチャであるARMv8に対応したCortex-A57とCortex-A53を4基ずつ、GPUアーキテクチャに第2世代Maxwellアーキテクチャを搭載したSoC

50以上のタイトルが「SHIELD」向けにリリースされる

また、「Tegra X1」はH.264/H.265/VP9のハードウェアデコーダを内蔵し、「SHIELD」では、4K解像度での動画再生にも対応する。GDC2015のプレスカンファレンスで製品の概要を説明したNVIDIAの会長兼CEOのジェンスン・ファン氏は「世界初の4K動画再生に対応したAndroid TVデバイス」とアピールする。

4Kでの動画再生に対応する

「SHIELD」を手にするNVIDIAの会長兼CEOのジェンスン・ファン氏

本体の操作はマイクを内蔵した付属のリモコンで行うが、8型タブレット「SHIELDタブレット」用のワイヤレスコントローラにも対応するという。

付属のリモコン。Bluetoothで接続する

「SHIELDタブレット」用のワイヤレスコントローラにも対応する

このほか、「SHIELD」でも「SHIELDタブレット」と同様に、NVIDIA GRIDによるゲームストリーミングサービス「GRIDゲーム」が利用できる。クラウド上でゲームを実行し、ストリーミングで配信するにより、大型タイトルのゲームも「SHIELD」上で1080p/60fpsのプレイが可能になるとしている。料金体系はサブスクリプションのほか、個別のタイトル購入にも対応するという。

「GRIDゲーム」の利用も可能

主な仕様は、SoCがNVIDIA Tegra X1、メモリが3GB、ストレージが16GB、グラフィックスがMaxwell GPU(256コア/統合GPU)。通信機能がギガビット対応有線LAN、IEEE802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1/BLE。インタフェースはHDMI 2.0、USB 3.0×2、Micro USB、MicroSDスロット、IRレシーバー。

本体サイズはW210×D25mm×H130mm、重量は654g。

「GRIDゲーム」が日本でも提供予定に - ただし時期は未定

なお「GRIDゲーム」だが、これまでNVIDIAでは日本国内における「GRIDゲーム」の展開は未定としてきたが、プレスカンファレンスのスライドでは「GRIDゲーム」の提供地域の中に「日本」と思しき場所にも印があった。

「GRIDゲーム」の概要

上記スライドから提供地域を抜き出したところ。不鮮明で恐縮だが、それでも日本の位置に印があるのが分かるだろう(赤枠で囲まれた中)

NVIDIAの広報担当者に確認を取ったところ、「日本でも「GRIDゲーム」の提供を予定しているが、開始時期はいまのところ未定」との答えが返ってきた。これは既存の「SHIELDタブレット」ユーザーにも朗報といえるだろう。