こうしたモバイル向けの技術をさらに拡張して、さまざまなジャンルでの利用を拡大を図っており、スマートホームやウェアラブルといった製品に加え、自動車への組み込みを目指す。そのため、自動車向けのLTEモデムとして「Snapdragon X12」「Xnapdragon X5」の2つのモデムを提供。X12はCat.10に対応し、下り最大450Mbpsで通信が可能。X5はCat.4で下り最大150Mbps。これを導入することで、自動車が単体でLTE通信を行えるようになる。同社はF1チームのメルセデス AMGと提携して技術供与する。

スマートフォン以外にもSnapdragonの適用領域を拡大していく

ウェアラブルのジャンルでは、Snapdragon 400を提供。Android Wearでの採用例が増えているほか、LGが発表したWebOS採用スマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」にもSnapdragon 400が採用されている。

中心となるスマートフォン向けにはMSMチップセットが2014年に9億1,900万の出荷を記録。今回のMWCでは、既存のLTE Cat.10の次期バージョンとなるLTE Cat.11のデモを、初めて公開の場で実施。下り最大600Mbpsに達するという。

LTE Cat.11のデモを実施する

QualcommのLTEモデムは、X5、X7、X8、X10、X12と幅広いラインナップをそろえ、チップセットはSnapdragon 210、415/425、618/620、810を用意し、あらゆる端末ニーズに応える。

LTEモデムのラインナップ

チップセットラインナップ

スマートフォンのリファレンスデザインである「QRD(Qualcomm Reference Design)」もすでに20カ国以上、1,080機種以上が登場しており、エントリーからSnapdragon 620を含むハイエンドまで、AndroidからWindows Phoneまで、幅広い端末がリリースされており、Snapdragon搭載機種をさらに拡大させている。

600/400シリーズでは620と425を新たに投入

拡大を続けるQRD

Snapdragon 810搭載機種も60機種以上に拡大。その採用機種である「HTC One M9」を今回のMWCにあわせて発表したHTCのピーター・チョウCEOがゲストで登壇。「17~18年前から」という両社の付き合いの長さをアピールしつつ、Snapdragonのメリットをアピールしていた。

Snapdragon 810も採用機種が拡大

HTC One M9を紹介するピーター・チョウCEO

VRヘッドセットの「HTC Vive」も披露