ジェムアルトは3月1日、英政府通信本部(GCHQ)および米国家安全保障局(NSA)によるSIMカード暗号化キーハッキング疑惑に対する調査結果を発表した。

ジェムアルトは携帯電・スマートフォン用のSIMカードを製造するオランダの企業。今回の疑惑は、米・英の情報機関が2010年と2011年に携帯電話の盗聴をするために、ジェムアルトのネットワークにサイバー攻撃を仕掛け、SIMカードの暗号化キーを取得したというもの。

調査報告によると、ジェムアルトは2020年と2011年にオフィスのネットワークに侵入した2件の高度な攻撃があったことを認めている。これらに関与する正組織の特定には至らなかったが、「NSAとGCHQの活動に関係しているかも知れないと考えています」と報告している。

2010年から顧客との間にセキュアなデータ伝送システムを実装しており、攻撃による暗号化キーの大量漏洩には至らなかったと主張。万が一盗み出せた場合は、第2世代(2G)モバイルネットワークのみだとしている。

現在の携帯電話回線の主流である3Gネットワークと4Gネットワークの暗号キーは、最新の保護機能を実装している。